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へき地医療支援システム:県立医大、医師を“玉突き”派遣 移動短く診察長く /福島

 県立医大(福島市)から2病院を通して医師を“玉突き”で医療過疎地の診療所に派遣する「へき地医療支援システム」が注目を集めている。都市部の大学病院から直接診療所に派遣する仕組みが一般的だが、県立医大方式は医師の移動時間が短くて済み、診療にじっくり取り組める利点がある。11日に開かれる文部科学省の医学部定員に関する検討会で、菊地臣一学長が全国的にも先進的な「福島モデル」として概要を発表する。

 システムは04年度に開始。(1)県立医大の助手15人を県立会津総合病院に週1回派遣(2)会津総合は助手受け入れで診療時間が空く医師を県立宮下と県立南会津の両病院に派遣(3)同じく余裕ができた宮下から柳津町と金山町の国保診療所に、南会津から只見町国保朝日診療所に医師を派遣する。

 これにより、柳津町で毎週月曜▽金山町で毎週火~金曜▽只見町で隔週木曜--に内科医と整形外科医の応援が受けられるようになった。

 玉突きの元となる助手は、臨床研修が終わったばかりで、県立医大で研究しながら診療に当たる。県が1人当たり年間800万~1000万円の人件費を負担する。安くはないが、立場が不安定になりがちな臨床研修終了直後の助手を好待遇で迎えることで医師確保ができる。

 県立医大は助手枠を90人に増やし、別事業では地域の拠点病院に定期的に派遣するなど、地域医療再生に取り組んでいる。【種市房子】

毎日新聞 2011年3月3日 地方版

 
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