ここから本文エリア 見ごろ前に梅バッサリ550本 奈良市の黒谷公園2011年3月3日
奈良市中町の黒谷公園の梅約550本の枝が、管理する市によってばっさりと切られてしまった。市は「梅林の維持管理のため」と説明するが、本来なら間もなく見ごろを迎えるはずだった。早春を告げる梅の花を楽しみにしていた市民から「なぜ切ったのか」と苦情が寄せられている。 2日午後、公園を訪れると、梅の木は直径10センチほどの太い幹を残し、高さ1〜1.5メートルほどから上が切り落とされていた。新しく生え始めた枝からピンクの新芽や白い花びらが咲いていたが、すぐには何の木かわからないほどだ。 「きれいな梅を見せられると思っていたのに」。10日後のツアーの下見に公園を訪れた同市の上田倖弘さん(77)はため息をついた。「パンフレットを作ったが、コースを変更しなければ」 高取町の森田晃通さん(75)は「昨年は白い花がきれいに咲いていた。ここは人も少なくて穴場だったのに」と残念がった。 市公園緑地課によると、昨年末から今年2月にかけ、約6ヘクタールの敷地内の梅の木すべてを伐採した。福本和男課長は「約10年に一度、花がない時に大幅に伐採している。樹勢を若返らせ、きれいな花を咲かせるためだ」と説明する。 ただ、課には「これから見ごろという時期になぜ切り落としたのか」という苦情が3〜4件寄せられているという。福本課長は「梅の花を楽しみにしていた市民の皆様には申し訳ないことをした。次回からは、伐採の時期を数年に分けて行うなど配慮したい」と話している。(田中祐也、伊藤あかり)
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