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但馬

さよなら車内販売 兵庫県内の在来線で終了 

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目に涙をためてワゴンを押す伊崎さん=特急「はまかぜ」1号

目に涙をためてワゴンを押す伊崎さん=特急「はまかぜ」1号

 「はまかぜ」や「北近畿」など、京都、大阪と但馬、京都北部などを結ぶJR西日本の特急列車での車内販売が28日、50年の歴史に幕を下ろした。駅構内の店舗の増加などを背景に売り上げが減少し、車内販売会社が3月のダイヤ改正を前に廃業を決めた。走行中の車内で最後の販売を告げる放送が流れると、乗客からは「旅気分を盛り上げてくれていたのに…」と残念がる声が上がった。

 浜坂行きの特急「はまかぜ」1号。10年余り、「売り子」として列車に乗り続けた伊崎里美さん(62)=豊岡市=は、あふれる涙を悟られまいと、うつむきがちにワゴンを押した。「感無量というか…。さみしいですね」。客車を出るたび涙をぬぐい、車窓をじっと見つめて流れる景色を目に焼き付けた。

 廃業するのは、福知山市に本社を置く「福鉄構内営業」。設立は1961(昭和36)年12月で、沿線に拠点を置く弁当販売9社の社内販売を長く担当してきた。しかし近年は豊岡駅の「たで川」(豊岡市大手町)と篠山口駅の「浪花食品」(篠山市大沢)の2社が残るのみに。販売員も計9人に減った。

 昭和60年代には6億円超だった売り上げも、近年は1億円を切り、福鉄社長の吉谷與史郎・たで川社長(57)は「何とか営業を続けようと、いろいろ方策は練ったが、時代に合わなくなってしまった」。県内の在来線からは車内販売は消えることになった。

(西井由比子)

(2011/03/01 09:15)

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