2011年3月2日5時1分
京都大(京都市)や早稲田大(東京都)など4大学で入試問題が試験中にインターネット上の掲示板「ヤフー知恵袋」に投稿された問題で、警察当局は、この書き込みに使われた携帯電話のIPアドレスを入手し、携帯電話会社を特定した。捜査関係者への取材で分かった。
京都府警と警視庁は、偽計業務妨害の疑いがあるとみて捜査しており、2日にもこの会社に照会し、投稿に使われた携帯電話の特定を進めるとともに、契約者に関する情報の提供を求める方針。
IPアドレスは、パソコンや携帯電話などの端末ごとに割り当てられる番号で、インターネット上の住所のようなもの。どの携帯電話会社の端末が使われたかがわかる。
捜査関係者によると、4大学の試験問題が投稿される際に使われた「aicezuki」というIDに基づき、掲示板を運営する「ヤフージャパン」に対し、IPアドレスなどの接続情報を照会していた。
入試問題の投稿をめぐっては、2月25、26日、京都大の2次試験で、文系の数学と文系・理系共通の英語の試験問題の一部が、ヤフー知恵袋に書き込まれた。このIDでの投稿は、ほかに早稲田、同志社、立教を合わせた計4大学で12回にのぼった。入試の前に開催された大手予備校の冬期講習の問題の一部も9回にわたって投稿されていた。
京都府警と警視庁は、4大学の受験者や講習の参加者に、今回の投稿者がいる可能性があるとみて調べる。