2011年3月3日5時30分
やはり受験生が関与していたのか――。京都大などで入試問題が試験中にインターネットの掲示板に投稿された問題で、山形県立高校出身で、仙台市の予備校に在籍している男子浪人生(19)が関与した疑いが浮上した。発覚から5日目。事態は急展開した。
25日の文系数学と26日の英語の問題がネットに投稿され、最初に問題が発覚した京都大。関係者によると、教員らには「箝口令(かんこうれい)」が敷かれており、「受験生関与の疑い」との報道についていずれも口は重かった。
しかし、ある男性教員は「教員らの間でも『誰がどういう意図でやったのか』『刑事事件になるのだろうか』と話している」と明かす。「前代未聞の事態だけに、大学内もピリピリした空気が漂っている。真相が解明され、普段の雰囲気に戻ってほしい」と話した。
「頑張ってきた人間からしたら悔しい」。京都大文学部の入試で、同じ文系数学の試験を受けた大阪府立高校3年の男子生徒(18)は憤った。
この生徒は一連の報道を見て、当初は「合格目的ではなく、目立ちたいだけなんじゃないか」と思っていた。誰でも閲覧できるネット上の掲示板に投稿すれば、すぐに身元が特定されることは分かり切っているはずと思っていたからだ。だが受験生が関わっていた疑いがあることについて「本当に合格したいのなら正々堂々受験すべきだ。こんなの反則だ」。
大阪市内の予備校では2日夜も、国公立大の後期試験をめざす受験生が自習室で勉強していた。その一人、京都大工学部を受けた堺市南区の男子予備校生(19)は「せっぱ詰まっている気持ちは同じ受験生としてわかるけど、一生懸命やっている周りの受験生に失礼。大学側がしっかり対策してほしい」と求める。