コンテンツ業界キャッチアップ
【第13回】 2011年3月2日
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石島照代 [ジャーナリスト]
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携帯やスマホにもゲームがあふれる時代に、
任天堂が「ニンテンドー3DS」を発売する意味を考える

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 任天堂も同じく500万本を売り上げた「ポケットモンスター ブラック・ホワイト」を、本決算期内に発売している。売上高は31%減の8079億円だが、「モンハンP3」特需による大幅増益を記録した、ソニーのネットワークプロダクツ&サービス分野(主にプレイステーションシリーズに代表されるゲームビジネスを担当)の売上高5666億円と比較しても遜色ない決算数字であろう。なお3DSの売上と、ソニーの「モンハンP3特需」の大部分は第四四半期内に計上される。

 セガも好調が伝えられている。家庭用ゲーム機市場を担当するコンシューマー事業は18.9%減の674億円と減少しているが、営業利益が98.4%増の28億円と改善している。同決算期に発売された「ソニック カラーズ」は全世界で180万本のヒットとなった。アーケード部門も好調なため、セガは「やればできる子」から「やったらできた子」に近づきつつあるのかもしれない。任天堂、ソニーとともに通期決算が楽しみだ。

 第二四半期決算で赤字となったコーエーテクモは、「戦国無双3z」(PS3用)や、SNS用コンテンツ「100万人の信長の野望」などの売り上げが好調に推移した。加えて、第四四半期決算内には「三國無双6」が控えているため、通期決算は復調すると見られる。 

 また、バンダイナムコゲームスも、海外向け外注ラインの失策について「止血は2011年3月期決算内に終了」(石川社長)したのに加え、国内ラインは「AKB1/48 アイドルと恋したら…」(PSP用)などの人気IP(知的財産)系ゲームソフトが根強く売れ続けており、順調に回復しつつあるようだ。

 昨年絶好調だったスクウェア・エニックスは、年末のPC版「ファイナルファンタジー14」の失敗の後遺症が決算数字以上に深刻だ。

 ある事情通はスクエニの現状について「PS3版FF14は和田洋一社長の命令で最初から作り直すため、発売時期は未定とソニーには伝えられた。ソニー関係者は真っ青になったそうです。また、開発現場の人事についても和田社長の大ナタが振るわれており、現場の士気が落ちている。その一方で外部大物クリエイターの招聘を検討したともささやかれ、開発現場は混乱気味です」と語る。

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石島照代 [ジャーナリスト]

1972年生まれ。1999年から業界ウォッチャーとしての活動を始める。現在は「夕刊フジ」本紙とウェブ媒体「ZAKZAK」(産業経済新聞社刊)、「ダイヤモンド・オンライン」(ダイヤモンド社)で執筆中。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。明治大学文学部を経て、早稲田大学教育学部に在学中。
Photo by 岡村夏林

 


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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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