ロシア:首都、再び標的に…空港テロ

2011年1月25日 1時7分 更新:1月25日 2時12分

 【モスクワ田中洋之】ロシアの首都モスクワが、またも無差別テロの標的となった。24日のドモジェドボ国際空港で起きた爆発事件の背景は今のところ不明だが、ロシアは今年12月に下院選、来年春に大統領選を控えており、国内の不安定化を狙った犯行の可能性もある。

 ロシアのメドベージェフ大統領は事件直後、治安維持を担当する内務省や空港を管理する運輸省に対して、必要な対策を講じるよう指示。その模様はテレビで全国に中継された。

 モスクワでは昨年3月、中心部の地下鉄駅2カ所で爆発テロが発生して多数が死傷。チェチェン独立派武装勢力が犯行声明を出した。02年10月にも劇場がチェチェン武装勢力に占拠される事件が起き、特殊部隊の突入で人質ら130人が死亡するなど悲劇が繰り返されてきた。

 今回の空港爆破テロで、チェチェン独立派の犯行と結びつける犯行声明のようなものは今のところ出ていない。しかし、ロシア南部のチェチェン共和国や隣接するダゲスタン共和国などでは治安部隊と武装勢力の衝突が散発的に発生し、不安定な状況が続いている。チェチェン独立派はロシアの心臓部を狙ったテロ攻撃を行う可能性を繰り返し示していた。

 下院選、大統領選を前にロシアは「政治の季節」に入っており、メドベージェフ政権は国内の安定を最優先課題として取り組んでいた。

 そうした中での大規模テロだけに政権側の衝撃は大きいとみられ、政権側はテロ対策のため国内の締め付けを一層強化する可能性がある。

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