2011年1月24日 19時45分 更新:1月24日 20時46分
入札するたびに手数料がかかる新しいタイプのネットオークションで、「落札できなくても多額の手数料がかかる」と訴える相談が急増している。全国の消費生活センターに09年度19件だった相談が、今年度は昨年12月までに173件寄せられた。国民生活センターは「ギャンブル性が高い取引で、慎重に利用してほしい」と呼びかけている。
「ペニーオークション」と呼ばれる取引で、現在100サイト以上が運営され、テレビやゲーム機などが出品されている。入札額の引き上げ単位が「1円ずつ」などと少額で、入札のたびに手数料が50~75円発生するのが特徴。「0円」などから入札が始まるが、入札者がいる限り、競り合いが延々と続く。
利用者は事前にクレジットカードで貨幣代わりの「ポイント」や「コイン」を購入し、手数料を支払う。相談者の多くは商品を落札できずに、手数料だけを支払っていた。1万~4万円支払った人が全体の35%と最も多く、手数料だけで約100万円を請求されたケースもあった。競争心をあおられて入札を繰り返し、手数料がかさむケースが目立ち、「入札者にサクラがいるのではないか」との疑念も多く寄せられているという。【稲田佳代】