イージス艦衝突:自衛官2人に禁錮2年求刑 横浜地裁

2011年1月24日 11時47分 更新:1月24日 12時50分

イージス艦「あたご」と、分断されて浮かぶ「清徳丸」の船首(手前右)=千葉県野島崎沖40キロ付近で2008年2月19日午前8時57分、本社ヘリから岩下幸一郎撮影
イージス艦「あたご」と、分断されて浮かぶ「清徳丸」の船首(手前右)=千葉県野島崎沖40キロ付近で2008年2月19日午前8時57分、本社ヘリから岩下幸一郎撮影

 海上自衛隊イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で漁船の2人を死亡させたとして、業務上過失致死罪などに問われた自衛官2人=起訴休職中=の横浜地裁(秋山敬裁判長)公判で、検察側は24日、衝突時の当直士官・長岩友久被告(37)と、直前の当直士官・後潟(うしろがた)桂太郎被告(38)に、いずれも禁錮2年を求刑した。

 検察側は論告で「長岩被告は左転などで衝突を回避をする注意義務を怠った。直進した責任は明確」と批判、後潟被告の過失については「誤った引き継ぎで長岩被告の回避措置を遅らせ、衝突の危険を生じさせた」と主張。「(両被告の)過信こそが最大の原因」と指摘した。

 一方、弁護側はこれまでの公判で「清徳丸の急な右転が事故原因。あたご側に過失はない」と反論し、無罪を主張。31日に弁護側の最終弁論で結審し、判決は3月の見通し。

 起訴状によると、後潟被告は08年2月19日午前2時~同3時55分ごろ、交代した長岩被告は事故発生時の同4時7分ごろまで、当直士官として操艦。後潟被告は接近中の漁船に気付かず「停止操業中」と誤った引き継ぎをし、長岩被告は誤りに気付いた後も漫然と航行を続けた。両被告の過失が競合し、清徳丸に衝突して沈没させ、船長の吉清(きちせい)治夫さん(当時58歳)と長男哲大(てつひろ)さん(同23歳)を死亡させたとされる。【松倉佑輔、中島和哉】

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