2011年03月01日 (火)ここに注目! 「入試問題流出 再発を防げ」

ここに注目!です。大学の入学試験の問題が試験中にインターネットの掲示板に投稿された問題で、京都大学など4つの大学が警察に被害を出ました。西川解説委員に聞きます。

Q.この問題、大学にとっても深刻ですね。

A.入試問題というのは、大学にとってまさに最高機密です。入試で不正が起きる可能性が出ないよう、試験時間が終わるまでは、外部に漏れることが絶対にないように、厳重に管理されています。投稿は、入試時間の最中に行われています。開始直前の問題文の訂正が反映されていることなど、投稿には受験生が関与しているという見方が強まっています。

Q.受験生がそんなことをすることが可能なんですか?

A.多くの大学は、携帯電話の持ち込みそのものは禁止していません。ただ、複数の試験監督や、ほかの受験生の目もありますから、不審な行動を取っていれば、わかると言います。一方、試験中のトイレは認められますから、携帯を隠し持って行って投稿することは不可能とは言い切れません。ただ、大学ごとの判断で、トイレの入り口まで試験監督が付きそったり、開始から30分までは許可しなかったりといった対応をとっています。同じ試験中に複数の投稿をしたものもあり、どうやって短時間に多くの文章を打ち込んだのかも謎です。外部に試験問題の写真を送って、第三者が投稿した可能性もあります。

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Q.これまでの大学の対応を越えた状況のようですが、今後、何が必要ですか?

A.再発を防ぐため、手口の解明が不可欠です。まずは、投稿した人物の特定です。投稿は、携帯電話から行われています。掲示板の運営会社や携帯電話会社に協力を求めることで、どの携帯から投稿されたのか特定できますから、投稿者を割り出せる可能性があります。そして、入試が続いているだけに、手口を解明した上で、事態への厳格な対応策を急ぐことです。大学入試で携帯電話を使った大規模な不正が行われた韓国は、持ち込みを禁止し、金属探知器まで使ってチェックをしています。そこまでやるかどうかはともかく、携帯の持ち込みを認めないとか、試験時間中は、大学側が預かるとか、これまで以上に厳格に対応することは、すぐにでもできます。各大学には責任を持った対応が求められます。

投稿者:西川 龍一 | 投稿時間:08:59

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