2011年1月21日 21時22分 更新:1月21日 23時9分
総務省は通常国会に提出する地方自治法改正案で、議会や首長の解散・解職請求(リコール)に必要な署名数を、有権者数が16万人を超える中規模の都市で緩和する。16万人までは現行通り3分の1だが、16万人超から40万人については現行の3分の1を6分の1に緩和、40万人超では6分の1を10分の1に緩和する。都市部でリコールを成立させやすくする改正で、住民意見の反映や行政監視を重視する片山善博総務相の考えに沿った改正案だ。
法改正に合わせ、人口が特に多い政令市での署名期間を、現行の1カ月以内から都道府県と同じ2カ月以内にする政令改正をする方針。
改正後に必要な署名数は、例えば有権者数が100万人の自治体の場合、(1)16万人以下の3分の1(2)16万人超から40万人までの6分の1(3)40万人超の10分の1--を合計した約15万人になる。
2月6日に政令市で初めて市議会解散の住民投票が行われる名古屋市は、必要な署名数が約37万人(有権者数の20.4%)だったが、改正後は約23万人(同13%)へと大幅に緩和される。最も人口が多い東京都でも約184万人(同17.3%)が約112万人(同10.5%)にリコールの成立ラインが下がる。
また、改正案で新たに導入する住民投票制度で賛否を問う政策については、大規模な公共施設に限定する方針だ。【笈田直樹】