イラン:チュニジア注視 反欧米、イスラム政権樹立を期待

2011年1月21日 10時35分 更新:1月21日 11時38分

 【テヘラン鵜塚健】ベンアリ長期政権が崩壊した北アフリカ・チュニジアの新政権作りの行方をイランが注視している。ベンアリ前大統領はイスラム主義を抑圧する非宗教的政策を推し進めたが、イランは今回の政変を機にチュニジアにイスラム主義が伸長することを期待している。

 アフマディネジャド大統領は19日、イラン中部ヤズドで「チュニジア国民は、欧米に支援された独裁政権を倒した。人々はイスラムによる法と支配を求めている」と演説。チュニジアの政治家や国民が今後の欧米諸国の介入に警戒するよう呼びかけた。

 親欧米で世俗(非宗教)主義だったベンアリ前政権は、イスラムの過激化を警戒し、イスラム主義政党を弾圧した。国外追放されていたイスラム政党の指導者の帰国などで、欧米諸国にはチュニジアの急速なイスラム化への懸念も広がる。

 一方、イラン国会は18日、「チュニジア国民の勇敢な革命を支持する」との声明を賛成多数で採択。イラン国営テレビは在米イスラム専門家の声を通じて「(ベンアリ政権崩壊は)アラブ世界で初めての革命で、イランのイスラム革命(79年)と共通点が多い」と分析。イランとの類似性を強調し、イスラム教を統治の柱とする政治体制誕生への期待を込めた。

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