−英語版のメーンキャラでオリジナルの声はピカチュウだけ。ピカチュウ語は世界に通じた!?
大谷:日本のスタッフの方々が「オリジナルのピカチュウ語を」と推してくれたんですよ。声や人が変わると、ニュアンスも変わってくるじゃないですか。それでニュアンスを大切にするためにこっちの役者で、ということに。
−「ピカー」とか「ピッカピカ」とか限られた言葉で喜怒哀楽を表現するのは大変だ。
大谷:やりがいは120パーセントありますね。「ありがとう」という感情を表現する時、大切にするのは、その気持ちだけ。いかにポケモンになりきって感情を込められるか。そこが難しさであり、やりがいでもあります。実は、親しい相手のことを指すピカチュウ語を作ってるんですよ。必ずその人にしか言わない言葉があるから、あっ、ピカチュウはこいつのことをなんて呼んでいるんだ、って見つけてくださいね。
−声優を目指したきっかけは。
大谷:声だけの声優より舞台の方がすごいんだよ、って思って舞台を目指してたんです。でも、声優の先輩たちが現場で本気でお芝居をやってるというのを見て、この世界でしっかりできなければ舞台なんてできないな、と。
−声だけでじゃないんだ。
大谷:そう。マイクの前で演じるお芝居。足の先からその役になりきろう、全身で演じよう、と心掛けてます。舞台の上と同じ。何かを人に伝えるということでは声優も舞台も一緒だと思います。
−声優を続けて成長できた?
大谷:柔軟になりましたね、私。最初のころは、人生とは、人間とは、とか、分かったような気でいたんですよ。だけど、その時は一本しか道は見えてないんですよね。でも、いろんな役と出会って、視野を広げることができました。いろんな性格のキャラにものの見方を教えられました。
−初めてのオリジナルアルバムをリリースしたばかり。
大谷:男の子とか、すごいブリっ子とか、いろんなキャラでは歌えるんですけど、自分を表現するチャンスがなかったので、逆に難しかったですね。声優の顔を出さないようにやったら、あっさり感というか、私って普通じゃん、って新しい発見がありました。
−これから挑戦したいことは。
大谷:今回、歌との出会いで自分の知らない世界をゲットできたんですよ。だから、もっと幅広くというか、チャンスがあれば、何にでも飛び込む柔軟性をもっと伸ばしていきたいですね。私の仕事は何? って思えるくらいに(笑)。 (真)