2011年3月2日7時38分
大学入試の一部が試験中にネット上の掲示板に投稿された問題で、主要大学が携帯電話の扱いに頭を悩ませている。既存の対策では防ぎ切るのは難しく、新たな対策を取るには多くの経費や人手が必要――というジレンマがある。
2日に後期試験がある東京の私立の大正大では、あえて携帯電話を机の上に置くよう指示することにした。かばんにしまわせる従来の方針を転換した。企画調整部の高橋慈海課長は「監督の目にさらされることで心理的な抑止効果があると考えた」。このため、試験に使う8教室の試験監督を1〜3人増やす。「ただ、あまり監督がうろうろすると受験生に圧迫感を与える。巡回方法は工夫したい」
7日に試験がある東京の駒沢大も、口頭で電源を切るよう指示していたのを、机の上で電源を切り、かばんに入れるよう指示することに変更した。心理的な抑止効果を狙った措置だという。京都市立芸術大でも同様の理由で、携帯を封筒に入れて封印し、かばんにしまうよう指示する。
「かばんのまとめ置き作戦」を検討しているのは、神戸大だ。12日にある後期試験では、全ての会場で、携帯電話の電源を切ってかばんに入れさせたうえで、かばんを試験会場の教室の前方や隅にまとめて置くという。試験日が迫る中での苦肉の策だ。
東京の有名私大の多くは「電源を切り、かばんにしまう」ことを指示。トイレなどで席を立つ受験生には、「携帯は持っていませんね」と口頭で確認するというのが一般的だ。慶応大は、その上で携帯電話や音楽プレーヤーを身につけることを「不正行為」と定め、発覚したら、その受験生の当該年度の入試結果をすべて無効にする決まり。だが、過去に実例はないという。
■電波の遮断可能だが高コスト
もっと抜本的な対策はないのだろうか。