2011年3月1日18時13分
東海地方の風俗情報サイト「夜遊びガイド」を運営する情報通信会社「ケイ・エンタープライズ」(名古屋市東区)と関連会社2社が、架空人件費を計上するなどの手口で計約1億5千万円の所得を隠したとして、名古屋国税局は3社と仰木一騎・実質経営者(40)を法人税法違反容疑(脱税)で名古屋地検に告発した。脱税額は約4500万円とされる。3社はすでに修正申告をし、納税している。
告発されたのはケイ社のほか、いずれも同区にあるエステサロン経営の「中部テレックス」と、美容機器開発・販売の「日本美容産業」。関係者によると、ケイ社は勤務実態がない仰木経営者の親族ら数人を役員や従業員に見せかけ、役員報酬や給料を払ったという。また、サイトのシステム開発を知人の会社に委託した際、委託費を水増しして支払い、水増し分を戻させたという。
関連2社は架空の人件費や経費を計上し、所得を隠した疑いが持たれている。
こうした経理操作で隠した所得は、2009年決算期までの2年間で、3社で約1億5千万円、脱税額は約4500万円とみられる。仰木経営者は隠した資金の一部をギャンブルに使ったという。
3社は09年末から同国税局の査察(強制調査)を受けていた。3社の顧問弁護士は取材に「ケイ社の所得隠しは事実だが、関連2社は脱税にかかわっておらず、当局との見解の相違がある」と話した。
信用調査会社やホームページによると、ケイ社は1999年設立。インターネットや携帯電話で風俗情報などを配信。事業の中心の夜遊びガイドは東海地方のキャバクラやホストクラブ、グルメ情報を流している。会員は2月末現在で約2万2千人。09年8月期の売り上げは7100万円。