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辺野古「強行は無謀」 米有力外交専門家が論文2011年3月1日  このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録

ジェラルド・カーティス氏

 【東京】米国の有識者で知日派として知られるジェラルド・カーティス米コロンビア大学教授が28日までに「日米関係の将来」と題した提言文を発表し、米軍普天間飛行場の辺野古移設の強行は「無謀」だとし、沖縄の反基地感情をこれ以上高めないためにも在沖米軍を削減すべきだと提案した。22日に日米の国会議員が出席し都内で開催した新・下田会議に寄稿した。米国内でも発言力がある古参の知日派だけに、今後の普天間飛行場の返還・移設問題に一定の影響を与える可能性がある。
 論文は、沖縄での基地を取り巻く現状について「沖縄に米軍基地が多すぎるのは否定できない事実だ。県民が辺野古移設を受け入れる可能性は極めて低い。新基地を建設するのではなく、米国は強制される前に迅速に沖縄の軍事プレゼンスを削減すべき」だと主張している。移設強行は「沖縄の反基地感情を悪化させ、沖縄における米国の軍事的プレゼンスそのものを危険にさらすことになる」と警告した。
 同氏は日米同盟を支持し、長期的安定の必要性を強調する立場から「米国は最終的に日本国内の米軍専用基地をなくし、自衛隊基地内に米軍を置くことを支持すべきだ。基地共有は日本における米国の軍事プレゼンスを政治的に可能にするための最善の方法だ」と提案した。
 普天間問題が膠着(こうちゃく)状態に陥った責任は「日米双方にある」と指摘。民主党政権発足直後の2009年10月に来日したゲーツ米国防長官が高圧的な態度で同問題の早期解決を迫ったことは「オバマ政権として適切ではなかった」と批判。さらに、自民党政権下でも10年以上辺野古移設が実現しなかった事実に触れ、移設が滞っている責任について「鳩山由紀夫前首相だけに(責任が)あるわけではない。辺野古移設計画ははじめから欠陥があった」と分析した。
 新・下田会議は、戦後の日米関係の再構築を目的に、民間の政策対話機関として1967年に初開催。以後、日米両国の政治家や有識者が出席し、94年まで重要な政治課題が出た時など継続的に開催されてきた。米軍普天間飛行場移設問題が日米間の重要な政治課題となっていることなどから、17年ぶりに開かれた。
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 ジェラルド・カーティス
 1940年ニューヨーク生まれ。コロンビア大学政治部教授、早稲田大学客員教授。64年に初来日以降、日本と米国を行き来し日本の政治の現場を見続けてきた。69年の「下田会議」から参加し、「沖縄以後の日米関係」の共著もまとめた。そのほか著書には「永田町政治の興亡」「政治と秋刀魚」など。


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