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被告警察官に懲役1年を求刑 安永健太さん事件付審判 | ||
知的障害者の安永健太さん=当時(25)=が警察官に取り押さえられた直後に死亡した事件で、付審判請求により特別公務員暴行陵虐致傷罪に問われた佐賀県警巡査長松雪大地被告(30)の第12回公判が28日、佐賀地裁(若宮利信裁判長)で開かれ、検察官役の弁護士は「殴打は違法行為で、法に最も忠実であるべき警察官の姿勢として悪質」と述べ、懲役1年を求刑した。
被告の弁護側は最終弁論で「暴行の目撃証言は信用できない」として無罪を主張。松雪被告も最終意見陳述で「論告求刑されたことは残念。暴行したことも、傷害を負わせたこともない」と訴え、結審した。判決は3月29日。
検察官役側は論告で、暴行があったとする2人の証言について「法医学鑑定にも裏付けられた強固な信用性を有している」とする一方、暴行を否定した11人の証人については、犯行時間帯に現場にいなかったなどとして「信用性はない」と述べた。
弁護側は「目撃証人は拳が健太さんに当たった場面の供述が変遷し、目撃した時間や位置も不自然。結局は『殴ったように見えた』という推論でしかない」と反論。法医学鑑定については「殴打だとしても矛盾しないというレベルにとどまる」とした。
被害者参加制度に基づき意見陳述した安永さんの父、孝行さん(49)は「真摯(しんし)な説明と謝罪があれば、こんな裁判にはなっていない」として、法定刑上限の懲役15年の求刑意見を述べた。
起訴状にあたる付審判決定などによると、松雪被告は2007年9月、佐賀市内の国道で、自転車で蛇行してミニバイクに衝突した安永さんを保護する際、胸などを3回、拳で殴って約1週間のけがをさせたとされる。安永さんは搬送先の病院で死亡した。
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2011年02月28日更新 |