県警組織犯罪対策課と松阪、大台、尾鷲各署は九日、詐欺（診療報酬）の疑いで、紀北町議会議員の会社役員東篤布(57)＝同町紀伊長島区東長島＝と元暴力団組長の無職松澤松太郎(52)＝松阪市下村町＝の両容疑者を逮捕した。
逮捕容疑は、共謀して平成二十年十一月二十一日、松阪市川井町の総合病院で、松澤容疑者が腹痛などで治療を受けた際、東容疑者になりすまし、東容疑者の全国健康保険協会の保険証を不正に使用。同二十七日までの入院費や治療費約二十五万円のうち、公費負担分の約十七万六千円の支払いを免れた疑い。いずれも容疑を認めている。
同課によると、両容疑者は、約二十年前からの友人。松澤容疑者は、入院前に腹痛について東容疑者に相談し、東容疑者は保険証の不正使用を了承していたという。
松澤容疑者は、救急搬送された際に東容疑者の氏名などを説明したが、病院に保険証は提示していなかった。病院側は不正使用に気付いていなかったらしい。
二十一年一月ごろ、「保険加入していない松澤容疑者が、松阪の病院で入院治療を受けている」と匿名の情報提供が大台署にあり、事件が発覚。病院側は昨年七月に被害届を提出していた。
紀北町議会事務局によると、東容疑者は平成十五年の旧紀伊長島町（現紀北町）議選で初当選後、十八、二十二年の紀北町議選に当選し、通算三期目。
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