ニュージーランドに研修で訪れていた栃木県栃木市の中学校では、先月28日の女子生徒に続き、1日、男子生徒が帰国しました。生徒らは当初の予定を変更して、被害がない地域に移動するなどしてこの1週間を過ごし、全員が無事に帰国しました。
帰国したのは、栃木市にある國學院大学栃木中学校の男子生徒33人と教諭2人のあわせて35人です。中学校では、先月28日、帰国した女子生徒42人や教諭を含めたあわせて79人が、地震が起きた今月22日から2週間の予定で、語学研修のため、ニュージーランドのクライストチャーチを訪れ、地震に遭いました。地震が起きたのは現地に到着して僅か2時間余りあとで、レストランで昼食をとっていましたが、すぐ近くの公園に避難して全員無事でした。しかし、この日から宿泊する予定だったホームステイ先の半分が被災するなどして、30人ほどの生徒は、この日、大学の寮やホールを借りて一夜を明かしました。現地で生徒を引率していた沼尻篤之教諭は、「地震の揺れで、昼食をとっていた店内は割れたガラスや食器が散乱し、かなり危険な状態で、歩くのも大変でした。市民もパニックを起こし、街が騒然としていて、帰りたいと泣く子もいましたが、『落ち着こう』『深呼吸しよう』と声をかけ、落ち着かせました。現地の人たちは、自分たちが被災しているなかでも優しく接してくれて、食事や寝るところを提供してくれ、とてもありがたかったです」と、当時の様子を振り返りました。研修を行う予定だった語学学校が閉鎖されたため、研修は中止となりました。学校では、当初の予定を変更して、翌日から生徒たちを、被害がなかったオークランドに移動させたうえで、帰国の便を手配するなどしながらこの1週間を過ごし、1日までに全員が無事に帰国しました。