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カープQ&A 松田オーナーに聞く '11/3/1

 Q.最後の優勝から20年。今年は勝てますか

 A.厳しい道だが、それをやり遂げたい

 広島は1991年以来、優勝から遠ざかる。待ったなしとも言える状況で、2年目を迎えた野村カープはいかにファンの期待に応えるのか。開幕まで1カ月を切り、松田元オーナーにシーズン展望と再建への道筋を聞いた。(五反田康彦、山本修)

 ―今年も沖縄、日南キャンプを視察されました。変化は感じましたか。

 野村監督がすごくリラックスして、ピリピリしたものがなかった。昨季は若者の気負いが出ていた。今は地に足が着いている。昨秋のキャンプは厳しく追い込んで練習した。その分、今春はけが人が出ないようにうまく調整している。秋の厳しさを春の成熟につなげるというサイクルだ。監督のプランでできるようになってきた。

 ■FA参戦せず

 ―フリーエージェント(FA)補強ができず、野手は新外国人以外、同じ顔ぶれで開幕を迎えます。

 FAにはもう積極的に参戦しない。昨年獲得を狙った内川(ソフトバンク)は野球観も一致し、性格的な面からも動いた。しかし、どうしてもマネーゲームとなってしまい、厳しい。よかったのは、FA補強へのチャレンジを首脳陣がすっきりと納得してくれたこと。フロントと現場がチームづくりで同じ方向を向くことができた。

 ―再びFA補強を避け、育成主体で戦力強化を図るのですか。

 今の時代には受け入れられないかもしれない。長い間、勝てていないからファンに不満がたまっているのも分かる。しかし、しっかりと選手を育てるという方針を支持してくれる部分もあるはずだ。やはりカープは愚直なまでに選手を育成し、チームをつくっていく。

 ―具体的には。

 なんぼでも銭を積んで、ただ打つだけの選手を(FAで)獲得するような「らしく」ないことはしない。だからこそ、負けに大きな憎しみがある半面、勝った時の強い愛情も生まれてくる。そういう面もカープの一つの魅力ではないか。

 ―初優勝は球団創設から26年目でした。今の低迷はその期間に近づいています。打開策はありますか。

 チームを強く引っ張ってくれる選手が不可欠だ。当時は山本浩二さんだった。例えば、雨の中で試合が始まると選手から不満の声がよく出た。そんな時、浩二さんは誰よりも先にグラウンドへ飛び出してくれた。

 今の野手では誰が主役になるか。栗原が務めてくれればいいが、岩本も存在感を増し、近づいてほしい。投手は大竹が復帰してくれば、前田健と二枚の主役が並ぶ。その周りを脇役が固めるという構図が理想だ。

 ■層厚い投手陣

 ―今年は勝てますか。

 投手陣の層は厚くなった。キャンプのブルペンで大勢の投手が並んでいた光景は壮観だった。シュルツや新外国人投手が安定しているのが大きい。永川も復調し、救援投手の層が厚くなると監督の采配の選択肢も増えていくはずだ。今年は試合展開を見て代打、代走といろいろなパターンでベンチは動ける。やれる。(おわり)

【写真説明】「選手を育成して、勝つ。厳しい道だが、それをやり遂げたい」。今季への手応えを感じている松田オーナー




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