入学試験への信頼を根本から揺るがす事態である。京都大や早稲田大などの入試問題が、試験時間中にインターネットの質問サイト「ヤフー知恵袋」に投稿された出来事だ。
同一の人物やグループの仕業とみられ、いずれも携帯電話を使っていた。質問に対しては、第三者らしき人たちから短時間のうちに回答が寄せられていたという。瞬時に情報の共有ができるネットの特性を悪用した、極めて卑劣な行為だ。
サイト上の回答を実際に答案として書いたかどうかにかかわらず、公正な入試の遂行を妨げたとすれば刑法の偽計業務妨害罪にあたる。警察当局は投稿者を特定し、全容解明を急いでもらいたい。各大学や、ヤフー側の捜査協力も欠かせない。
今回の事件には不可解な点が多い。投稿のなかには、試験開始から5~8分後にサイトに掲載されたものもあった。試験官が目を光らせる教室内で、数式なども含む複雑な設問をわずか数分間で携帯電話に打ち込んで送信したのだろうか。
試験問題をいったん写真に撮って外部の仲間に送り、その人物が投稿したとの見方もある。サイトに寄せられた回答も、仲間を介して受験者に送信されたのかもしれない。
いずれにせよ、ネット事情に精通し、携帯の操作に習熟していなければできない行為だ。新手のカンニングというだけでなく、試験時間中に回答者にわざわざ「お礼」を送信するなど、入試の抜け穴をあざ笑う「愉快犯」的な面もうかがえる。
韓国では2004年に携帯メールを使った組織的なカンニングが摘発され、それ以来、入試会場への携帯持ち込みは禁止になった。日本の場合も多くの大学で電源を切ってカバンにしまわせてはいるが、今後はより厳しい対応が必要だろう。
こうした不正が果たして今回初めてのことなのか、という疑問もわく。携帯やネットを悪用した行為がどこででも起きうるという前提に立って、対策を立てざるを得まい。
一部の不心得者のために、所持品検査をしたり試験官を増やしたりしなければならないとすれば残念だ。しかし選抜制度への信頼は、ひとえに公正さにかかっている。受験生を入試不信に陥らせてはならない。
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