刑務所の仮出所者で、県内で居住経験がある人や受刑していた人を入所させるとしていた法務省の「福島自立更生促進センター」(福島市狐塚)に、いずれにも該当しない人が1人入所していたことが28日、分かった。運営をチェックするため同日開かれた第三者機関「運営連絡会議」(丹波史紀委員長)は、センターを管理している法務省福島保護観察所に改善を求めた。センターの運営に反対してきた近隣住民は「約束が破られた」と反発を強めている。
治安悪化を懸念する周辺住民はセンター設置時から反対。同保護観察所は「県内に帰ることを希望している者」や、福島刑務所の受刑者を優先入所させるとして理解を求め、昨年8月に開所した。
これに当たらない入所者がいたことは1月24日の前回の連絡会議で報告されていたという。今回の連絡会議後の会見で同保護観察所は「居住歴はないが、全くゆかりのない者ではない。刑務所から社会に出るという意味で『帰る』を使っていた。もっと説明を尽くしておけばよかった」などと説明した。井坂巧所長は「連絡会議の意見を尊重したい」と話した。
センターにはこれまで計6人が入所。県内に帰りたいとされた人は4人で、今回問題になったのはこのうちの1人。残り2人は福島刑務所の受刑者。3人は既に退所している。【蓬田正志】
毎日新聞 2011年3月1日 地方版