2011年2月28日20時53分
夫の退職に伴う年金の変更届けをしなかった専業主婦に対する救済策の見直しについて、細川律夫厚生労働相は28日の衆院予算委員会で、「厚労省としては救済中心にやっていく方針を決めている」と述べ、今後も救済する方向は変えない考えを明らかにした。今後は、「保険料の払い損」という不公平感をなくすことが課題になる。
片山善博総務相も同日の衆院予算委で、「不公平を最小限にする必要はある」としながらも「救済の必要はある」と言及。菅政権として救済を優先する原則を確認した。いずれも自民党の鴨下一郎氏の質問に答えた。
厚労省は1月から、届け出漏れの主婦に対し、直近2年より前の保険料は払わなくても年金を給付する救済策を始めた。しかし、総務省が「きちんと払ってきた人からみれば不公平だ」と批判したため、適用を一時停止し、救済策を見直す検討に入った。
細川厚労相はこの日の衆院予算委で、片山総務相との間で25日に合意した「速やかに検討して厚労相が適切な結論を出す」とする文書を公表。菅直人首相は「十分協議して結論を出すよう指示している」と述べ、両者の調整を枝野幸男官房長官に委ねる考えを示した。
総務省の年金業務監視委員会(郷原信郎委員長)は28日の会合で、厚労省の大塚耕平副大臣らから救済策をまとめた経緯を聴いた。同委員会メンバーで社会保険労務士でもある内山晃総務政務官は、年金記録を訂正した上で時限立法で過去の未納期間をすべて納付させ、納められない場合は年金の加入期間に含めて年金額を減らす、という私案を提示した。同委員会は近く反対の意見書をまとめ、片山総務相に提出する。