韓国で30年にわたり日本の反省を呼び掛ける日本人(上)

「謝罪と和解の牧会」を行うソウル日本人教会の吉田耕三牧師

 「知っていればこそ悔い改め、謝罪もできるのです。日本が本当に過去の過ちを認めて謝罪しないのは『無知』だからです。国民も為政者も政府当局者も皆そろって無知なのです」

 韓国唯一の日本人教会、ソウル市城東区聖水洞にある「ソウル日本人教会」の吉田耕三牧師(69)は、日本からの学生訪問団や教会関係者が韓国に来ると必ず連れていく場所がある。独立記念館、西大門刑務所跡、タプコル公園をはじめ、日本の植民地時代に日本人による韓国人キリスト教信者の虐殺が行われた堤岩里教会などだ。日本人が景福宮に行こうと言うと「ちょっとタプコル公園に寄って行こう」と話し「遠回り」して案内する。時には、日本の学生たちが元慰安婦の女性たちに会う機会も設ける。「元慰安婦のおばあさんたちに昔のつらい経験を思い出させるのは申し訳ないが、学生たちのような若い年代に、経験したことを話して聞かせるのに勝る教育はない」と考えるからだ。このような過程を経て、「歴史に対する認識や人生観が変わった。韓国をはじめアジアの人々に役立つ仕事をしたい」という日本人学生も出てきた。

日本人牧師、韓国の歴史にはまる

 吉田牧師は、1981年9月から30年間「謝罪と和解の牧会」を行っている。「日本による植民地統治も創氏改名も韓国人に頼まれてやったこと」と発言する石原慎太郎・東京都知事のように、妄言を吐く日本の政治家や閣僚をたしなめる手紙を送り、朝日新聞や毎日新聞などの有力紙に日本を批判する文章を寄稿したこともある。

 吉田牧師は、少し日本語のイントネーションが感じられる韓国語で「日帝」「ひっ迫」「謝罪」などの単語を力強く発音した。「日本の反省」を叫ぶようになったきっかけは、1974年にソウル・汝矣島で開催された世界宣教大会「エクスプロ74」だった。東京神学校を卒業した後、愛知県で牧師をしていた同氏は、日本による蛮行の現場を韓国で初めて目の当たりにして衝撃を受けた。「タプコル公園や堤岩里教会を見て、少しでも謝罪の気持ちを示すために何かしなくてはと決心した」。家族に対し韓国に行くと告げたとき、姉は大反対した。「韓国に行けば、あなたは間違いなく韓国人に殺される」

吉田耕三牧師は、独島(日本名:竹島)問題について「野球には逆転ホームランがあるが、歴史にはない。韓国は日本より千年も前から独島を管轄していたのに、日本が領有権を主張するのは間違っている」と話した。/写真=全基炳(チョン・キビョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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