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【オンライン】長嶋監督からの手紙に感激 プロ野球選手名鑑に住所が載っていた時代
2011.2.28 20:34
書店にプロ野球選手名鑑の並ぶ季節がやってきた。昨季の月別成績、コース別の打率など、マニアックな細かいデータが掲載されている現在のものと違い、いまから20、30年前までの名鑑には、選手の住所や家族の名前まで載っていたことを覚えている野球ファンがどれだけいるだろうか。
そんなことを先日、知人と話していると、彼は小中学生だった1970年代後半、名鑑の住所をたよりに「サインを下さい」という手紙を、切手を貼った返信用封筒と紙を入れて送っていたと言う。どんな選手から返信があったのかと聞くと、田淵(現楽天コーチ)や江本ら当時の阪神の中心選手はほとんど網羅。現物を見せてもらうと、ちょっとした「お宝」といえるほどだった。
78年に阪神を率いた後藤監督からはサインだけでなく、「頑張って勉強や運動に励んでください」というメッセージ付きだった。若手だった岡田(現オリックス監督)からはサインはなかったが、年賀状が届いた。
巨人の長嶋監督からのものもあった。77年秋に手紙を送ったが、年が明けても音沙汰無し。あきらめていたところ、2月初めに毛筆で書いたサインが届いた。封筒の消印の文字は「宮崎・青島 昭和53年2月1日」。キャンプ地にわざわざ少年ファンの手紙を持って行き、キャンプイン直前に返事を書いてくれたことに、知人は手紙が届いたときの感激をいまでも忘れないという。
選手の住所などプライベートな情報が名鑑から消えたことは、おかしな輩がいる現代、当然といえる。いまの選手も球場で気軽にサインに応じるなど、ファンサービスはかたちを変えて行われている。ただ、あこがれの選手との「手紙」を通じたふれあいは、コミュニケーションをメールで済ませる現代社会にはない、アナログな幸せだったと思う。(鮫島敬三)
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