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【国際】

「極秘に宮殿」 プーチン氏疑惑次々

2011年3月1日 朝刊

 【モスクワ=酒井和人】ロシアの事実上の最高実力者とされるプーチン首相が、ロシア南部の黒海沿岸に極秘裏に専用の宮殿を建設中との情報が相次ぎ、インターネットなどで批判が高まっている。中東での反政府デモが拡大する中、来年春の大統領選に影響を及ぼす可能性も指摘されている。

 発端は昨年末、プーチン氏に近いとされるロシア人実業家コレスニコフ氏が、メドベージェフ大統領にあてた告発の書簡を米紙ワシントン・ポストが報じたこと。

 同紙によると、建設にはロシアの新興財閥が献金した資金を不正に流用。宮殿は冬期五輪会場となるソチのある南部クラスノダール地方にある。イタリア風の造りで、フィットネス施設やコンサート場、ヘリポートなどを備え、総工費は十億ドル(約八百十億円)に上るという。

 今年一月中旬には建設中の宮殿とされる写真がネット上に流出。また、別の実業家は、ロシアの有力経済誌に、首相が他にも複数の秘密宮殿を所有しており、裁判で事実を明らかにしようとしたが、訴えを無視されたと証言した。

 これに対し、首相側はワシントン・ポストの報道後、「首相と宮殿は関係ない」(ペスコフ首相府報道官)と短く否定しただけ。政府系の主要メディアは疑惑を報道せず、黙殺を決め込んでいる。

 一方、ネット上ではプーチン氏に対する批判の声が噴出。中には中東での反政府デモを引き合いに「革命を起こせば宮殿は幼稚園になる」との書き込みもみられた。あるニュースサイトは「メディアをコントロールする権力者に打撃を与えるのはインターネットだ」などとして、大統領選へ向け、さらなる批判の高まりを予測した。

 

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