28日午後1時20分ごろ、富山県上市(かみいち)町伊折の北アルプス・剱岳の池ノ谷(たん)ガリー(標高2750メートル)付近で、救助訓練中の富山県警山岳警備隊員3人が雪崩に巻き込まれ、2人が重体、1人が軽傷となった。3人は標高1900メートル付近で救助を待っているが、28日は視界不良でヘリコプターが飛べず、救助は1日朝以降に持ち越された。
県警によると、木村哲也巡査(33)=同県舟橋村海老江=と、丸山政寿巡査部長(45)=同県入善町椚山=が重体。飛弾(ひだ)晶夫警部補(40)=富山市婦中町田島=は軽傷とみられる。
訓練は救難技術向上などが目的で、隊員6人が2月25日~3月4日の予定で入山していた。28日は午前8時から3人ずつ2組に分かれて行動。先発組の3人が雪崩に巻き込まれ、約450メートル下まで流された。その後、飛弾警部補が重体の2人を救助し、後発組の3人と合流。1900メートル付近まで下山し、ビバーク(野営)している。
現場周辺の28日朝の天気は小雪で、視界約100メートル。現場はV字形の急斜面で、新雪部分だけが崩れる「表層雪崩」が起きたとみられる。県警は隊員らのこの日の行動について「妥当な判断だった」としている。【青山郁子、大森治幸】
毎日新聞 2011年2月28日 17時46分(最終更新 2月28日 21時43分)