阪神にとって最も恐れていた結論が届いた。ロッテが、阪神にFA移籍した小林宏投手(32)の人的補償として、高浜卓也内野手(21)を獲得する方針を固めたことが2月28日、明らかになった。1日にロッテから正式発表される。高浜はキャンプ途中から1軍合流し、最も著しい成長を見せた若虎の1人だっただけに、阪神にとって痛すぎる流出となった。
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阪神が最も恐れていた事態が、現実となる。ロッテが小林宏の人的補償として、高浜を獲得する方針を固めた。今キャンプ途中から1軍に合流して以降、驚異的な成長を遂げた若虎が、他球団に流出することになった。
ロッテ・石川球団運営本部長はこの日、都内で行われた選手会の事務折衝に出席後、「人的補償で行きます」と明言。特定の名前こそ明かさなかったが、西村監督や松本編成統括らと協議した結果、高浜を指名することで結論を下したもようだ。この日中に、重光オーナーにも報告を済ませ、阪神サイドにも通知されたものとみられる。
07年秋のドラフト1位で名門・横浜高から入団した高浜。走攻守三拍子そろった内野手として、“ポスト鳥谷”の呼び声が高かったが、両すねの骨折など故障に泣き、3年間で1軍昇格はなかった。
しかし、今春のキャンプ途中の1、2軍合流した紅白戦で1軍切符を勝ち取った。27日のオープン戦・オリックス戦(春野)まで、実戦6試合で14打数8安打、打率・571と驚異的な数字を残し、首脳陣が今後の1軍帯同延長を決めた矢先だった。
阪神が2月10日にプロテクト名簿を提出後、宜野座、安芸に編成担当を派遣していたロッテは当初、金銭補償を求める方針を固めていたが、高浜の急成長に方針転換。西岡のツインズ移籍や今江の故障が長引いていることに加え、今江は早ければ来季にもFA権を取得することもあり、若く力のある内野手の存在は魅力的だった。もともと高いポテンシャルを持っている高浜だけに、今キャンプをきっかけに、一気に才能が開花する可能性も十分にあると見た。
3年間故障で日の目を見なかった若虎が、ようやくブレークの時を迎えたというのに、何とも皮肉な結果。この日、同じく事務折衝に出席した沼沢球団本部長は、「ウチは待つしかないでしょう。それなりの選手を取られるのは痛い。考え直してくれませんかねえ」と険しい表情で話した。
ロッテは1日に練習試合の行われる高知・東部球場で松本編成統括から正式発表する予定。高浜の獲得に加え、小林宏の旧年俸1億7000万円の50%が阪神から支払われることになる。
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