冤罪

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『ミラの聖ニコライ、無実の三人を死刑から救う』(イリヤ・レーピン)
ミラの聖ニコライ、無実の三人を死刑から救う』(イリヤ・レーピン

冤罪(えんざい)とは、「無実であるのに犯罪者として扱われてしまうこと」を指す言葉である。つまり「濡れ衣(ぬれぎぬ)」[1]。捜査や裁判の過程に問題が指摘されている刑事事件を表現するために用いられることが多い。裁判において有罪とされその判決が確定した場合や、再審で証拠不十分(「疑わしきは被告の利益に」)により無罪となった場合のほか、無実の者が逮捕され被疑者として扱われたり、起訴され刑事裁判を受けたりした場合も冤罪事件と呼ばれる。また、冤罪で無実の者が誤認逮捕されたり誤認起訴されたりするその陰で真犯人がその罪を問われることなく世の中に潜伏し、犯罪を繰り返す危険性があるということを示す。わが国の憲法が掲げる基本的人権自由権にも最右翼で抵触する事象である。 主な冤罪事件については冤罪事件及び冤罪と疑われている主な事件を参照のこと。 なお、冤罪は確立した法的な概念ではない。類義的な法律用語としては誤判・誤審が用いられる。

目次

概要

原因

冤罪の原因は偏に「人が裁く」ことにある。人は、時を遡って過去の事実を観察することができない。このため、過去の事実は、現在存在する物や記録、人の記憶をつなぎ合わせ、合理的に推測するしかない。したがって、犯罪という過去の事実の有無を人が判断する裁判においては、犯罪という過去の事実が存在したであろうと判断者が確信を抱くことはあっても、犯罪という過去の事実が存在することを確認することはできない。この結果、犯罪の存否に関する人の判断と、過去の事実の存否との齟齬が生じることは防げないのである。

このような冤罪の中でも、古くから問題とされてきたのは捜査機関をはじめとした国家によって作られる冤罪である。捜査機関が、行き過ぎた見込み捜査や政治的意図などから、ある人を犯人に仕立て上げてしまうという類型である。日本の刑事訴訟法旧法に見られたような、裁判における“自白は証拠の王”とみなす考え方が、真実の裏づけを後回しにした自白獲得のための取調べを招き、拷問により虚偽自白を誘引することによって冤罪が発生する。また裁判においても、無罪を主張すれば一律に反省していないとされ、刑罰が重くなる傾向にある事も虚偽自白を誘引していると言える。

特に科学的捜査方法が確立される以前には捜査能力の限界から、先入観思い込みを持った捜査による冤罪が発生する可能性が高かったが、科学的捜査方法が導入されたあとは、遺留品や物的証拠からそれにつながる犯人を導き出すのではなく、予め容疑者を設定する見込み捜査の過程で証拠は後から合致させる一方で容疑者に有利な証拠は破棄や軽視や無視するといった手法が採られる。日本には現在でも代用刑事施設(旧代用監獄)と呼ばれる近代国家としては極めて特異で問題が大きいとされる取調べ体制が公的に存在しており、司法当局の求める自白を容易に引き出せることが強く指摘されており、冤罪の温床となっている。

また捜査機関は基本的に推定シナリオに基づく捜査を行うが、自らの出世のために虚偽の自白の強要、証拠の捏造など誤ったシナリオに無理やりはめ込もうとして発生する冤罪もあり、他人を冤罪に陥れることは絶対あってはいけないことだということは言うまでもない。

こういった捜査機関の暴走を引き起こす遠因として、着実な捜査よりも速やかな容疑者の逮捕などを求めるマスメディア報道や、そういった誘導に引きずられる国民世論などの問題も指摘されている。

甲山事件のように、一たび被疑者が証拠不十分で不起訴となったにもかかわらず、検察審査会の不起訴不当議決で再び被疑者に嫌疑がかけられて起訴されて無罪となった事件もある。2005年に検察審査会の権限が強化されたため、冤罪の増加を危惧する声が上がっている。一方で暗にある刑事事件を冤罪と指摘する検察審査会の議決もある(徳島ラジオ商殺人事件丸正事件高知白バイ衝突死事故)。

捜査機関以外の私人の行為が原因となって冤罪が発生する場合もある。例えば、真犯人が自分に対する量刑を軽くするために、他人に罪をなすりつけた事例(梅田事件八海事件牟礼事件山中事件富山・長野連続女性誘拐殺人事件警察官ネコババ事件など)が存在する。

さらに、東電OL殺人事件恵庭OL殺人事件のように被疑者が、当初は被害者との密接な関わりを否定するが証拠判明後にようやく認めるなどの嘘をついたことによって、裁判官の心証を著しく悪くし、有罪になりやすい要因を被疑者自身が作り出している場合もある。

また、無罪判決が確定しても警察は「捜査は適切に行なわれたと信じる」のコメントを発表するだけであることが多く、原因追及及び関係者問責を行った例は足利事件を除き皆無である。[要出典]]]

このように一般的に冤罪は刑事事件が対象に思われがちであるが、ターゲスト・びわ仙人ミミ様こと稲岡丈夫の虚偽提訴事件のように自らの知名度や地位、そして憲法により保障されている裁判を受ける権利を利用し、さらに警察関係者や弁護士などの法曹関係者へのなりすましや癒着関係の仄めかし等を行い、自ら正義の名の下に犯罪(不法行為)をでっち上げて、妄想推理に基づき証拠を捏造し民事訴訟を提訴し多額の損害賠償金や慰謝料を請求するという、冤罪を利用した悪徳ビジネス-首謀者稲岡丈夫-も存在し、現在も犯罪は継続しているのである。司法を他人に危害を加える悪事に利用する行為は法治国家への挑戦でもあるとも言えよう。

再審による無罪判決の困難度

日本の場合、冤罪主張がなされていても、話題とならなければ報道などで取り上げられないことも多い。また、最終審まで争って死刑無期懲役や長期間の有期刑の判決が確定した場合、冤罪の可能性が高いと指摘され、冤罪主張がなされていても、裁判所が再審請求を受け入れる実績が少ないので、再審請求を行っている間に長期間経過し、死刑執行が行なわれず、または、仮釈放が許可されずに、獄死や満期釈放になる例が多い。

第二次世界大戦以後は、裁判所が死刑判決をした事件でも、法務省は無実・冤罪の疑惑があると認識している事件では、法務省は死刑囚を執行せず、裁判所が再審請求を受理して無罪判決をする(免田事件島田事件財田川事件松山事件など)か、または、死刑囚が天寿を全うして死ぬまで待つ(帝銀事件三鷹事件牟礼事件名張毒ぶどう酒事件袴田事件(名張事件と袴田事件の死刑囚は2010年12月現在存命だが高齢で獄死の可能性が有る)など)という運用をしている。

冤罪被害

また冤罪に対する補償の低さも問題で(捜査、起訴の違法性を補償の要件としない)、刑事補償法においては拘束1日につき1000円~12500円(金額は補償請求を受理した裁判所の裁量により決定される)しか認められない。これは、仮に10年服役しても約365万円~4566万円しか補償されないということである。最高では年450万円超となるとはいえ、それは捜査機関の故意による冤罪、死刑囚拘置など、最悪の条件が重なった場合の話であり、その場合でも24時間拘束であることを考慮すれば、最低賃金を下回る『時給』であり、充分な補償とは到底言い難いとの意見がある。また無罪判決を勝ち取るための弁護士などの費用の支払いに保証金が当てられるだけでなく、懲役措置を受けているために国民年金にも加入することが出来ない。日本で冤罪により死刑宣告を受けた後に無罪を獲得した者のほとんどが生活保護を受けて細々と生活しているのが現状である。現在の制度では冤罪事件でも国が弁護側の費用を補填する事は無い。よって現状として、冤罪の被害者は実質、経済的な被害さえも賠償されることはない。さらに当該犯罪とは無関係の者が有罪判決が確定した場合には、再審によって無罪が確定されるまで有罪として扱われるため(“推定有罪”)、本人や家族は経済的損害を受け、また犯罪者とその家族との差別や排斥を受けることがある(青地晨のルポによれば、名張毒ぶどう酒事件では被害者遺族が被告の自宅に押しかけ、夕食中の家族に土下座しての謝罪を要求したという。また被告一族の墓は地元の霊園にはない。『魔の時間』より)。

目に見える被害ではないが、犯罪事件で冤罪が判明した場合において、真犯人を追及しようとしても時間の風化によって真犯人を摘発できなかったり公訴時効が成立していたりすると、真犯人が不明なままだったり法の裁きを受けないままとなる問題も発生する(殺人事件の被害者遺族にしてみれば「Xさんは犯人ではなかった、では真犯人は一体誰なのか」とやり切れない思いが残る)。また、ジャーナリストや被疑者の弁護人や知人によって、被疑者以外の真犯人が推理されることもある(例として帝銀事件二俣事件丸正事件狭山事件など)。ただし、丸正事件のように実名で真犯人を告発すると真犯人扱いされた人物から逆に名誉毀損の告訴をされて有罪判決が確定したこともあり、捜査権限がない民間人が真犯人を推理することへの限界もある。

予防と対処

冤罪の予防

冤罪をできるかぎり予防するためには不十分ではあるが、冤罪を予防するため刑事手続上様々な制度が整備されている。日本では、たとえば以下のような手続きが定められている。

まず、捜査機関による捜査に一定の歯止めをかけることで冤罪を予防しようという試みがある。日本の場合、日本国憲法および刑事訴訟法における自白法則補強法則の採用が冤罪防止に一定の役割を果たしている。

  • 自白法則とは拷問や脅迫などによって引き出された任意性のない自白は証拠とすることができないという原則(日本国憲法第38条第2項、刑事訴訟法第319条1項)である。また、補強法則は自白を証拠として偏重すると苛烈な取り調べによって虚偽の自白が引き出され、冤罪が発生するおそれがあるため、自白のみによって、被告人を有罪とすることは出来ないという原則(日本国憲法第38条第3項、刑事訴訟法第319条第2項)である。

また、起訴された際には予断排除の原則(起訴状一本主義など)により、捜査機関の嫌疑から裁判所を遮断することで、当該犯罪とは無関係のものの有罪判決を防止するための制度設計がなされている。

  • 過去においては密室で行われる取り調べに対しては、司法が介入することは暗黙に避けられていた。しかしながら今日においては暴力的な手段を講じて取り調べに当たった検事に対する告訴を検察側が適切に対処するなどの事例が見られ、司法の側からも冤罪根絶の取り組みも行われている現状にある。

しかし、現在でも依然として冤罪事件が根絶されたわけではなく、違法・不当な取調べが指摘されている事例もあることから、取調べを可視化すべきだという主張もなされている。これは、取調べの全過程を録画・録音することで、違法な取調べがあったかどうかを検証できるようにすべきだというものであり、冤罪防止に一定の効果があるものとされる。しかし、すべての過程を可視化することにより、記録が動画として半永久的に残り記録された取調べ映像が捜査関係者以外に見られる可能性が格段に増すことになり、逃亡中の共犯者がいる組織犯罪では真実を話せばお礼参りの増加する懸念、被疑者が羞恥心を持つために自白をためらい真相の解明ができない可能性があるなどの反対意見を警察庁や検察庁が主張している[2]。そこで、検察は2006年から、警察は2008年から、取り調べの一部録画を始めている。 

裁判員制度の導入による刑事裁判の運用の変化への対策として、検察庁は捜査の一部録画を検討している。しかし、部分的な録画・録音では警察官・検察官の捜査に都合のいい部分だけ録画される可能性があるので、尋問の全ての過程を録画・録音すべきだという主張も弁護士会や学者などに根強い。また立件と関係ない内容で被告が共犯者および犯罪組織の告発を行った録画は弁護側の承認によってのみ公開できるとすれば問題は無いとされる。

また世界にも珍しく司法取引の制度があるアメリカと同一に論じることへの異議もあり、司法取引の存在しない他の先進国でも尋問の録画・録音は行われている。「やましいことがないのであれば、取調べを可視化すればいい」という意見があるが、弁護士と被疑者の接見交通権の可視化については、被疑者が国家権力によって勾留されている特別な状態であることから秘密交通権が保障されてしかるべきとして弁護士は接見が可視化されること拒否をしており、「やましいことがない」はずの接見は可視化もされず、検察と弁護が不対等であるとの意見がある一方で、この場合の不対等は検察と警察のやり取りの可視化が順当であり、警察と被疑者のやり取りが検察と弁護士の両方に可視化されないことが不対等であるとの反論も存在する。

冤罪の多くが取り調べの段階で一旦自白してしまったことが裁判で重たく評価されるケースが多い。被疑者の側でも虚偽自白をしない強固な意志を持つことが必要であるが、捜査機関の誘導尋問や虚偽の証拠による惑わしや、罪を認めやすくする状況の作出、さらには長期化している取り調べによって被疑者が疲労困憊し、虚偽自白に陥りやすいという現状がある。また、虚偽自白は、若年層や知的障害者などに多くみられる。

冤罪を受ける人には前科や逮捕歴がある事が見られる(逮捕歴≠前科。「処分保留」や「微罪処分」もあるため)。この理由として警察は前歴のある人をリストアップしてまずその人たちに対して優先的に洗い出しを行うのが捜査の手順だからであると考えられる[3]。このような立場の人はそうでない人に比して冤罪が降りかかった時、自分のアリバイを実証できるように努めておく必要がある。

捜査段階で被疑者を保護する予防対策

無実者に対する誤認による逮捕・起訴を予防するために、捜査段階で被疑者を保護する対策として下記のような方法があるが、これらが実現する為には法律の改変が必要である。

捜査段階での弁護人の接見と外部との通信の義務付け

  • 刑事訴訟法第36条、第37条は、被告人に対する国選弁護制度を保障しているが、捜査段階での国選弁護人の付与、捜査段階での被疑者に対する弁護人接見は義務付けてはいない。
  • 各種の法律および刑事司法関連の法律に詳しくない一般市民が犯罪の被疑者として逮捕され、代用監獄である留置場で外部との接見・通信を遮断されて尋問された場合、警察官による拷問、供述の強要、虚偽情報による心理操作と供述の誘導により、虚偽の供述をさせられ、虚偽の供述調書を作成されてしまう事例がたびたび発生している。
  • 捜査段階での国選弁護人の付与、被疑者に対する弁護人の接見による尋問に対する助言や外部との通信を、少なくとも1日1回の接見を義務付けることにより、捜査段階での虚偽の供述・供述に追い込まれることの、ある程度の抑止効果が得られる。

逮捕・勾留の条件の規制・厳格化

  • 2008年6月現在、刑事訴訟法第199条は「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるとき」、第212条は現行犯人が「犯人として追呼されているとき」、「誰何されて逃走しようとするとき」を逮捕できる条件として容認している。
  • 上記の条件の適用した逮捕が乱用されると、客観的・具体的な物的証拠が無く、被害者や被疑者の供述だけを根拠に逮捕することは、誤認による逮捕・起訴・有罪判決・刑の執行の原因になりやすいので、客観的・具体的な物的証拠が無く、被害者や被疑者の供述だけを根拠にした逮捕は規制または禁止が必要である。
  • 2008年6月現在、刑事訴訟法第60条は、被告人に対する勾留の条件として、「被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」、「被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき」を勾留できる条件として容認している。
  • 上記の条件の適用した勾留が乱用されると、軽微な犯罪の被疑者に対して適用したり、前記の条件に該当しないのに適用して勾留された状態が継続することにより、被疑者・被告人が私的・社会的な自由が無く社会活動が不可能になり、重大な不利益を受けるので、前記の勾留の条件は、被疑事実・起訴事実の重大性・反復性による厳格な規制または禁止が必要である。

代用刑事施設制度の廃止と拘置所での勾留の義務付け

  • 2008年6月現在、刑事訴訟法第203条、第204条、第205条は、警察官が被疑者を逮捕した場合は48時間、検察官が被疑者を逮捕した場合は被疑者を逮捕した場合は48時間、検察官が警察官から被疑者の身柄送致を受けた場合は24時間、被疑者の身柄を拘束権を認め、その時間を超えて、被疑者の身柄の拘束を求める場合は、検察官が裁判所に勾留請求をして、裁判所から勾留令状の交付を得ることによって捜査のために被疑者を20日間勾留できる。
  • 2008年6月現在の刑事訴訟法においても、被疑者の勾留場所は本来は拘置所であり、身柄の拘束が逮捕から勾留に移行後は勾留場所が拘置所になることが刑事訴訟法の本来の規定であるが、拘置所の収容能力不足に対する代用刑事施設(旧代用監獄)として警察の留置場を勾留場所として使用する例外措置・代替措置が常態化している現実がある。
  • 警察の留置場が勾留場所として使用され、勾留管理者と尋問者が同一組織であり、部外者が接見・通信・監視できない密室での尋問が、警察官による拷問や供述強要の要因になり、憲法第36条の拷問の禁止、憲法第38条の自己に不利益な供述の強要の禁止に違反する状況が常態化して継続してきた。
  • 代用監獄により発生する問題を解決するためには、法務省の予算を増加して、被疑者・被告人の収容に必要で十分な収容能力を持つ拘置所を整備し、代用刑事施設の廃止と拘置所への勾留の義務付けの目標達成時期を法律に明記して、代用刑事施設の廃止と拘置所での勾留の義務付けを追求し実現する必要がある。

尋問の録画録音の義務付け

  • 被告人が起訴事実を否認している裁判、被告人が無実の可能性が指摘される裁判で、検察官と被告人・弁護人との間で、捜査段階における被告人の供述調書の信用性・任意性が争点となる事例が顕著に見られる。
  • 被告人の捜査段階での供述の任意性・信用性に関する紛争とは、検察官・警察官は捜査段階で被疑者に対する拷問や供述の強要はなく、被疑者の意思で自発的に供述したのであり、任意性・信用性は有ると主張し、被告人・弁護人は被告人の捜査段階での供述は拷問や供述の強要により、虚偽の供述をさせられ、虚偽の供述をした供述調書を作成されたので、供述の任意性・信用性は無いと主張することである。
  • 捜査段階での被疑者、被害者、証人の供述の任意性・信用性の紛争の問題を予防するには、被疑者の身柄を拘束した場合はもちろん、被疑者の身柄を拘束していない場合も含めて、被疑者、被害者、証人に対する尋問の全ての時間を録画録音することを法律で義務付けることが必要であり、被疑者、被害者、証人に対する尋問の全ての時間の録画・録音の義務付けにより、捜査段階での供述の任意性・信用性の問題の大部分は解消される。

調書の形式は一問一答形式を義務付け

捜査段階で警察官・検察官が被疑者・被害者・証人を尋問する時には、被疑者に対して一問一答形式で尋問しているが、調書を作成する段階では、被疑者・被害者・証人を尋問する警察官・検察官は、尋問と供述の内容を小説のような文章形式に編集して口述し、調書を作成する警察官・検察事務官は口述された内容を調書として文書化し、被疑者・被害者・証人を尋問する警察官・検察官は文書化された調書を音読して被疑者に聞かせ、被疑者・被害者・証人が同意した場合は調書に署名し拇印を捺印して、正式な調書になる。だが、この方法だと、実際の尋問と供述の内容・意味がそのまま文書化されるのではなく、警察官・検察官による無意識または意図的な印象操作が行われることがある。その結果、裁判の段階で、犯罪行為の事実や犯行に至るまでの経緯・動機に関して、尋問と供述の内容をそのまま文書化した場合よりも、裁判官が誤認・誤解をする可能性が高くなる。裁判官が誤認・誤解した場合は、被告人に不利益な方向に誤認・誤解される事例が多い。ゆえに、尋問と供述の内容・意味に関する無意識または意図的な印象操作や、誤認・誤解を防ぐために、尋問と供述の内容を小説のような文章形式に編集せずに、尋問と供述の内容を一問一答形式でそのまま文書化することが、法曹関係者や刑事司法の研究者から提案されている。

裁判段階で被告人を保護する予防対策

無実者に対する誤認による有罪判決・刑の執行を予防するために、裁判段階で被告人を保護する対策として下記のような方法があり、法律の改変が必要である。

捜査資料の被告人・弁護人への開示の義務付け

  • 無実者に対して、誤認による逮捕・起訴・有罪判決・刑の執行をした事件では、警察官・検察官が被疑者・被告人の無実の証拠、または、被疑者・被告人の無実の証明に有利な証拠・情報を、被疑者・被告人・弁護人に公開せずに秘匿・隠蔽・隠滅し、被告人・弁護人の無実証明や、検察官の有罪証明に対する被告人・弁護人の反論を消極的に妨害する方法として利用してきた。
  • 私人・民間人である被疑者・被告人・弁護人の操作能力・情報収集能力は、公権力組織である警察・検察と比較すると著しく小さいので、警察官・検察官が被疑者・被告人の無実の証拠、または、被疑者・被告人に有利な証拠を秘匿・隠蔽・隠滅することにより、誤認による逮捕・起訴・有罪判決・刑の執行が多数生み出されてきた。
  • 2008年6月現在の刑事訴訟法では、起訴後および裁判における争点整理のための公判前整理手続において、検察官が裁判所に有罪証明のために提出する証拠・資料は被告人と弁護人に開示されるが、それ以外の証拠・資料は被告人と弁護人に開示されない。
  • 警察官・検察官が被疑者・被告人の無実の証拠、または、被疑者・被告人に有利な証拠を秘匿・隠蔽・隠滅することによる、誤認による逮捕・起訴・有罪判決・刑の執行から被疑者・被告人を保護するためには、起訴された事件および被告人・被害者・証人に関して、警察官・検察官が捜査段階で収集した証拠・資料のうち、被害者・証人のプライバシーに関する証拠・資料を含む全ての証拠・資料を、被告人・弁護人に開示することを義務付け、被告人・弁護人が検察官の有罪証明に対して、無実証明または有罪証明に対する反論に必要で十分な証拠・資料の開示を義務付けることが必要である。

起訴事実の犯罪類型と量による裁判期間の義務付け

  • 無実者に対して誤認で有罪判決が確定した事件に限らず、被告人が起訴事実を否認し無罪判決が確定した事件、被告人が起訴事実を認めて有罪判決が確定した事件で起訴事実が複数の犯罪・被害者におよぶ事件では、裁判が判決確定までに2年以上5年未満、5年以上10年未満、10年以上などの長期間かかる事例がある。
  • 検察官は有罪の証明のために審理を長期化させることがあり、弁護人は無罪の証明または有罪の証明に対する反論のために審理を長期化させることがあり、一部の弁護人は死刑判決を阻止するために審理を故意にできるだけ長期化させることを表明し実行している。
  • 身柄を拘束されて裁判を受ける場合は私的・社会的な自由が無く社会活動が不可能になり、身柄を拘束されていない場合も刑事被告人という不安定な状態が継続し、被告人に私的・社会的な不利益を与える。
  • そのような状況を解消するためには、起訴事実の犯罪類型と起訴された事件数の乗数の総和により、地裁・高裁・最高裁の各級裁判の判決までの期限を設定し、その期限内で判決をすることを義務付け、その期限内で判決をするために、裁判所、検察庁、弁護人が裁判の進行に協力することを義務付けることが必要である。

捜査段階の供述から裁判での供述の証拠認定への転換

  • 憲法第38条は、「強制・拷問もしくは脅迫による供述または不当に長く抑留若しくは拘禁された後の供述は証拠とすることができない」と規定しているが、2008年6月現在の刑事訴訟法に基づく刑事訴訟の運用においては、被告人・弁護人が起訴事実を否認し、捜査段階での供述の任意性・信用性を否定し、捜査段階での供述調書の証拠採用を不同意にしている裁判でも、裁判官が検察官の主張と、裁判で検察官の有罪証明の証人として被告人を尋問した警察官が証言した主張を認めれば、裁判官が被告人の捜査段階での供述を証拠として認定することができる。
  • 裁判員制度の採用により、裁判の運用も変化すると予想されているが、捜査段階での被疑者、被害者、証人の供述を証拠として重視する裁判の運用から、裁判の法廷における被告人、被害者、証人の、証人を申請した側からの尋問に対する供述と、反対尋問に対する供述を総合的に判断した供述証拠の認定への転換が必要である。

被告人・被害者・証人の供述を唯一の証拠とする有罪判決の禁止

  • 憲法第38条は、「自己に不利益な唯一の証拠が本人の供述である場合には有罪とされ刑罰を科せられない」と規定しているが、2007年5月現在の刑事訴訟の運用では、被害者・共犯者の供述を唯一の証拠とする有罪判決が存在し、誤認による有罪判決・刑の執行の原因の一つになっている。
  • 被害者の供述を唯一の証拠とする有罪判決は、強制わいせつ罪(特に鉄道車両内での痴漢行為)、強姦罪において顕著に適用されている。過去には性犯罪の裁判において、被害者である女性が抵抗しなかったから強制わいせつ罪強姦罪は成立しない、と裁判官が判断して無罪判決をする、ジェンダーバイアスによる無罪判決が存在し、性犯罪者が不処罰になり、性犯罪の被害を受けた女性が放置されるという状況が存在したが、2008年6月現在では、前記のようなジェンダーバイアスによる無罪判決は存在せず、過去の反動で、被害者または自称被害者の女性が、男性を強制わいせつ罪や強姦罪の加害者として供述するだけで、被害者または自称被害者の供述を唯一の根拠とする逮捕・勾留・起訴・有罪判決・刑の執行が実施され、性犯罪の誤認により無実の男性が逮捕・起訴・有罪判決・刑の執行の被害をうける事例が頻発し社会問題となっている。
  • 被害者または自称被害者の供述を唯一の根拠ととする場合、性犯罪の事実は存在したが被害者が無実者を真犯人と誤認して逮捕した場合、性犯罪の事実は存在しなかったが自称被害者が性犯罪の被害を受けたと誤認して無実者を真犯人と誤認して逮捕した場合、自称被害者が性犯罪の事実が存在しないことを認知していながら故意に無実者を真犯人と指摘して逮捕した場合、被害者の供述を唯一の証拠とする逮捕・勾留・起訴・有罪判決・刑の執行が成り立ち、無実者は私的・社会的に重大な被害を受ける。
  • 性犯罪以外にも、捜査中または公判中の被疑者・被告人が、自分に対する量刑を軽くしたい動機で、または、無実の他者を陥れたい動機で、または、自分に対する量刑の軽減化以外の何らかの利害損得に関する動機により、または、前記以外の何らかの動機で、無実の他者を共犯者と供述すること、自分は従属的な立場であり、無実の他者を主犯と供述することが存在し、他の被疑者・被告人の虚偽の供述により、無実者が誤認により逮捕・起訴・有罪判決・刑の執行という不利益を受ける事実が存在する。
  • 被害者および他の被疑者・被告人の供述を唯一の証拠とする、誤認による逮捕・起訴・有罪判決・刑の執行という被害を予防するためには、被害者または自称被害者、他の被疑者・被告人の供述を唯一の根拠とする逮捕・勾留・起訴・有罪判決・刑の執行は法律で禁止することが必要である。

学校教育・社会教育で刑事司法制度の学習による予防対策

冤罪からの回復手段

裁判手続を経て有罪判決が確定してしまった場合でも、再審制度によって救済される道が開かれている。法的な意味での冤罪からの回復は、この方法によることが必要である。

また、金銭的な回復手段として、誤認逮捕をされた者は被疑者補償規定による補償、起訴されたが無罪判決を受けた者は日本国憲法第40条を受けて立法された刑事補償法による補償を求めることができる(しかし受け取れる額は失われた名誉や年月に比べ低過ぎるとする意見も多い。→#冤罪被害)。また、あまりに不当な逮捕や起訴であり、逮捕や起訴が違法である場合には、国家賠償法による損害賠償を求めることができる。

なお、刑事補償の対象となるのはあくまで裁判で「無罪」となった者であり、「無実の冤罪被害者」とイコールではない。不当に長期にわたる勾留があったとしても、起訴に至らなかった被疑者や(たとえ別件逮捕の微罪であっても)「有罪」となった被告人は補償の対象とはならない(真犯人が名乗り出たにも関わらず再審請求が認められないこともある)。一方、裁判で犯行事実が認定されても心神喪失等で「無罪」となれば補償の対象となる。

冤罪の原因が私人である場合には不法行為による損害賠償請求という事後的な金銭的救済による対処が主となる。マスメディアによる報道被害の場合も基本的に同様であるが、マスメディア自身による救済機関を設けるなどしていることもある。

その他

  • 弘前大学教授夫人殺人事件のように時効成立後、真犯人が良心の呵責に耐えられず、自首するケースが存在する[4]。しかしながら現在は刑事時効が成立しても、真犯人に対し民事上の損害賠償を請求する訴訟の可能性があるため、真犯人が名乗り出にくい状況になっていることは否めない。中には米谷事件のように真犯人を名乗る人物が時効前に自首しても、刑事裁判では証拠不十分として無罪判決が出るケースもある。
  • 日本では検察官に無罪判決に対する上訴が認められているために、一審で無罪を勝ち取ったとしても、上訴審で逆転有罪判決(例:名張毒ぶどう酒事件東電OL殺人事件)を受ける場合もある。
  • 最近では、軽微な痴漢行為も犯罪であるという一般的認識が確立し、従来は厳重注意・微罪処分で済まされていたものが逮捕・検挙されるケースが増加した。だが、これに伴って、痴漢をしていないのに誤って処分されるという「痴漢冤罪」が発生している(詳細は痴漢冤罪を参照)。
  • 死刑廃止を求める理由として、冤罪が挙げられる。ちなみに、イギリスではエヴァンス事件で冤罪によって死刑を執行した可能性が浮上した事、ハンラッティ事件(A6事件)でも同様の懸念が起きたことで、死刑廃止論が起き、最終的に死刑制度の廃止に至っている[5]

主な冤罪事件及び冤罪と疑われている事件

冤罪事件及び冤罪と疑われている主な事件を参照のこと

冤罪を扱った作品

冤罪がテーマの作品

映画

演劇

テレビドラマ

ドキュメンタリー

小説

漫画

評論

  • 『最低ですかーっ!』(外山恒一、2004年、「獄中手記」を含む)
  • 『冤罪はこうして作られる』(小田中聰樹)
  • 『痴漢「冤罪裁判」―男にバンザイ通勤させる気か!』(池上正樹)

手記

  • 『ぼくは痴漢じゃない!―冤罪事件643日の記録』(鈴木健夫)
  • 『お父さんはやってない』(矢田部孝司+あつ子)
  • 『彼女は嘘をついている』(小泉知樹)
  • 『冤罪司法の砦!ある医師の挑戦―奈良医大贈収賄事件』(石田文之祐)
  • 『いつか春が―父が逮捕された「佐賀市農協背任事件」』(副島健一郎)
  • 『酩酊えん罪 裁かれるべきは誰か―刑事裁判物語』、『(同)〈Part2〉完結編』(石原悟、松井清隆)
  • 『 「ごめん」で済むなら警察はいらない―冤罪の「真犯人」は誰なのか』(柳原浩)
  • 『冤罪―ある日、私は犯人にされた』(菅家利和)
  • 『訊問の罠―足利事件の真実』(菅家利和・佐藤博史)

ルポルタージュ

  • 『「冤罪」を追え―志布志事件の1000日』(朝日新聞鹿児島総局)
  • 『「違法」捜査 志布志でっち上げの真実』(梶山天)
  • 『左手の証明―記者が追いかけた痴漢冤罪事件868日の真実』(小澤実)

冤罪に関連した作品

映画

小説

  • 『霖雨の時計台』(西村寿行)
  • 『ゴールデンスランバー』(伊坂幸太郎)

関連する制度(法律)

  • 日本国憲法第40条
    • 「何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。」(刑事補償請求権)
  • 刑事補償法
  • 被疑者補償規定(法務省の訓令:逮捕されて、起訴されなかった場合に適用)

冤罪と報道

マスメディアの発展に伴い、「容疑者」としてセンセーショナルに報道され、あたかも犯罪者であることが証明されたかのように扱われ(メディア・パニッシュメント)、経済的損害や精神的苦痛を受ける場合がある。このような場合にも、世間の興味を引くために「冤罪」が使用される場合がある。メディアの側でも過去においては被疑者は敬称を付けず、呼び捨てで報道されていたが、現在では「~容疑者」とすることで一定の人権に対する配慮を行う様にしているが、一旦容疑者として報道された場合名誉の回復は難しい現状にある。また新聞などにおいて顔写真の掲載は自粛されていた時期があったが、現在ではまた掲載が復活している現状にある。

近年では、マスコミ報道における痴漢報道の顕在化によって、各種痴漢事件等においては、おおむね逮捕された被疑者が犯罪事実の有非を問わず、その社会的信用を即時に失墜する傾向がある。そのため、悪意をもった女性がさも痴漢の被害を受けたかのようにふるまって対象とする男性に向けて精神的圧迫を行い、示談と称して慰謝料名目の金銭を要求したり、これが成立しない場合には提訴して審理を和解に導き相手から金銭を得ようと企図したり、これに準じて私怨から相手に対する社会的評価を貶めようとする事件が発生しているとの説も生じている[1][2][3]。無実を主張して、状況を説明するのにしばしば「冤罪」が使用される。状況説明に使用するのは、犯罪とは無関係の、身に覚えが無いのに解雇された等の不利益を受けた場合もある。

その他、インターネットの発達により、全く別人であるのにも関わらず自分の顔写真を犯人であるとして流布させられるという被害も発生している。特に少年事件の場合には顔写真が公開されないのが通常であり、関心が高まる分被害も拡大している。メディアの側でも青少年の場合顔写真や実名報道には慎重ではあるが、犯罪の重大性をメディアが判断した場合、女子高生コンクリート詰め殺人事件のように敢えて実名報道に踏み切った場合もある。それとは逆に報道番組で検証報道による冤罪事件の救済にいたるケースもあるが、近年、刑事訴訟法改正により、弁護人から報道機関へ裁判資料を提供した場合罰則が設けられ、資料提供の拒否がおきており冤罪事件が起こりやすくなるのではと危惧(きぐ)されている。

冤罪の危険性を理由にした死刑反対論の意見・死刑適用されない事件での冤罪の軽視

死刑反対を述べる意見には、その理由として冤罪の危険性を挙げるものがあるが、死刑反対論調を有利にわかり易く展開する為に方便的に使われ、関連付けられるものが多い。 死刑宣告をされ執行される(された)中に冤罪だった者がいるのではないかという危惧から来るものは少ない。 冤罪の問題自体が火急かつ深刻、根の深い問題であり、また、死刑適用をされない犯罪案件(例として痴漢や窃盗など)でも冤罪が発生し、死刑ではなくとも社会的に殺され社会復帰が困難になるなどの問題もある。痴漢冤罪はその最たるものである。上記のように冤罪問題は火急かつ深刻、根の深い問題であり、人の命や人の人生が懸かっている。尚更のように、個別に考えなければいけない大問題である。別の問題論議展開の為の理由に挙げたり出汁に使われたりする事が許される問題ではない。 また、死刑適用案件の冤罪の危険性を危惧する意見でもその事に固執するあまり、死刑適用されない事件の捜査で生じた冤罪は軽視しているのではという問題もある。

脚注

  1. ^ 『語源由来辞典』より濡れ衣
  2. ^ 東奥日報 2007年10月10日、警察庁幹部の話として「カメラが回ってる中で本当のことは話せない」。検察幹部は「言いたくないことを言わせる。真剣な場面では立ち会いの検察事務官すら退席してもらうほど緊張感があるものだ。組織犯罪の犯人が、後に公開されると分かって組織の人間のことを話すはずがない」。
  3. ^ アメリカでは性犯罪の前科のある者の住所情報をインターネットで公開している現状がある。他の多くの国でも重犯罪の前科のある者の住所は登録制になっているが、これが公開制になっているのはアメリカだけである。特に未成年への性犯罪の前歴のある人の情報を警察が把握しておくことの必要性が一部の報道機関や個人により主張されているが、日本ではアメリカとは異なり、国民の多数意見ではなく、国会に議席を持つ政党の中で党の政策として主張する政党は無く、そのような主張は国会議員の中でも少数意見であり、現状で予想可能な範囲内では法律として制定される可能性は無い。
  4. ^ 当事件に関しては冤罪を受けた当事者が名乗り出た人(友人)にむしろ感謝の意を表し、法的な責任を追及することはなかった。
  5. ^ なお、ハンラッティ事件は後に技術が確立されたDNA鑑定によって、冤罪では無かったことが断定されている

関連項目

ウィキブックス
ウィキブックス刑法各論関連の教科書や解説書があります。
ウィクショナリー
ウィクショナリー冤罪の項目があります。

参考文献

冤罪

  • 前坂俊之『冤罪と誤判』 田畑書店 1982
  • 前坂俊之『誤った死刑三一書房 1984 (ISBN 9784380842214)
  • 小田中聡樹『冤罪はこうして作られる』
  • 江川紹子『冤罪の構図―やったのはおまえだ』
  • 青地晨『魔の時間―六つの冤罪事件』
  • 浜田寿美男『自白の心理学』岩波新書 ISBN 9784004307211
  • 荒木伸怡『刑事訴訟法読本 冤罪・誤判の防止のために』弘文堂
  • 五十嵐由香『冤罪の作り方』健友館
  • 高杉晋吾『権力の犯罪 なぜ冤罪事件が起こるのか』講談社
  • 木下信男『裁判官の犯罪「冤罪」』樹花舎
  • 播磨信義『人権を守る人々 英国の冤罪事件と救援運動』法律文化社
  • トーマス・ルメール『ばかげた裁判に殺されかけた男 アメリカの司法制度が生んだ最悪の冤罪』早川書房
  • 後藤昌次郎『無実 冤罪事件に関する12章』三一書房
  • 三浦英明『DNA鑑定 科学の名による冤罪』緑風出版
  • 山本登志哉『生み出された物語 目撃証言・記憶の変容・冤罪に心理学はどこまで迫れるか』北大路書房
  • 浜田寿美男『取調室の心理学』平凡社
  • 季刊『冤罪File』(冤罪ファイル)キューブリック
  • 浅野健一『犯罪報道の犯罪』『犯罪報道とメディアの良心』(メディア・パニッシュメントによる犯人視と冤罪形成を論じる)
  • 足立区首無し女性焼殺事件『でっちあげ―首都圏連続女性殺人事件』(社会評論社)
  • 矢澤曻治『冤罪はいつまで続くのか』花伝社 2009 (ISBN 9784763405579)

帝銀事件は冤罪ではないという説もある。

  • 科学捜査論文「帝銀事件」(中村正明、東京図書出版会)

刑事司法に関連する法律

  • 池田修、前田雅英『刑事訴訟法講義』東京大学出版会
  • 三井誠『入門 刑事手続法』有斐閣
  • 長沼範良、寺崎嘉博、田中開『刑事訴訟法』有斐閣
  • 伊藤真『伊藤真の刑事訴訟法入門』日本評論社
  • 庭山英雄、山口治夫『刑事弁護の手続と技法』青林書院
  • 井上正仁『刑事訴訟法判例百選』有斐閣
  • 大阪弁護士会刑事弁護委員会『聞いた!答えた!なるほど刑事弁護』現代人文社
  • 東京弁護士会刑事弁護委員会『実践刑事弁護 当番弁護士編』現代人文社
  • 沢登俊雄『少年法入門』有斐閣

外部リンク

刑事司法に関連する法律



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