二〇〇九年一二月、京都市の朝鮮初級学校を襲撃し、威力業務妨害罪や器物損壊罪等で逮捕・起訴された排外主義集団「在特会」(在日特権を許さない市民の会)の関西の元幹部が、二月七日に京都地裁で開かれた公判において、「朝鮮人は人間ではない」などと暴言を吐いた。
この元幹部は、「在特会」の京都支部長などを歴任していた西村斉被告。同年一二月四日に他のメンバーと京都市南区の京都朝鮮第一初級学校に押しかけ、「北朝鮮のスパイ養成所」「日本から出て行け」などと拡声器で罵声を浴びせ、授業を妨害するなどした。
西村被告は一〇年四月、徳島県教職員組合事務所内にも押しかけ、拡声器で「売国奴」「朝鮮の犬」などと怒鳴り、業務を妨害したとして逮捕。京都市の朝鮮学校の授業妨害事件と併合されて京都地裁で審理されている。
二月七日の公判で西村被告は、朝鮮初級学校の襲撃事件について「愛国心と正義感に燃えてやった」などと犯行について居直り、さらに戦後初期の混乱期に「朝鮮人が日本人に危害を加えた」などとして、「朝鮮人は人間ではない」と被告席で述べた。
これまで在特会は関西地方で、〇九年一一月に従軍『慰安婦』問題に取り組む宝塚市の大島淡紅子市議の事務所を襲撃するなどさまざまな暴力行為を繰り返している。だが、京都・徳島で起こした事件で西村被告ら主要幹部が逮捕されたため、以前よりも活動力が落ちているという見方もある。
成澤宗男・編集部
【訂正】当初、西村斉氏が「徳島地裁で有罪判決を受けている」と掲載しましたが、有罪判決を受けたのは他の在特会メンバー3人でした。お詫びして訂正します。
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