厚生労働省と総務省は、年金の変更届を出し忘れた専業主婦の救済策を凍結し、新たな制度に見直すことを決めた。1月から運用されていた制度は公平性からみて問題が多かった。見直しは当然だ。
夫が厚生年金や共済年金に入っているサラリーマンや公務員の妻は、専業主婦であれば「3号被保険者」として保険料を払わなくても基礎年金が受け取れる。だが、夫が会社をやめて自営業に転じた場合などは、自分も国民年金に加入し保険料を払う必要がある。
ところが、旧社会保険庁が十分な周知活動をしていなかったこともあり3号の資格を失った後も、国民年金へ切り替えていない主婦が100万人近くいることが判明した。このままでは無年金や大幅減額になる可能性がある。この人たちを救済するとして厚労省が打ち出したのが直近2年分の保険料を納めれば未納期間も払ったとみなし、年金を減額せずに支給するというものだった。
だが、これでは変更手続きをしてまじめに国民保険料を払ってきた主婦との公平性が保てない。また昨年12月までに届け出た人は未納期間に応じて減額されている。総務省の年金業務監視委員会は「問題が多い」と指摘しており、ただでさえ揺らいでいる年金への信頼をさらに失わせる結果を招いた。
厚労省と総務省は28日に開かれる監視委員会の結論をもとに、新たな救済策を検討するとしている。今回に限り、未納の保険料を払える期間を2年でなくもっとさかのぼれるようにし、できるだけ多くの人が年金を受け取れるようにすることなども考えられるのではないか。
そもそも保険という制度は保険料を納めた人に支払うのが原則だ。加入者全員で保険料を肩代わりする3号の制度は、始まった1986年当時は一定の支持があったが、共働き家庭が半数を超える今、時代に合わなくなっている。
とはいえ収入のない専業主婦が保険料を払い続けるのも難しい。3号制度がなくなれば未納による無年金者が増える事態も考えられる。今回のような問題が起きるのを避けるためにも、基礎年金は全額を消費税でまかなう方式が望ましい。
厚生労働省、保険料、厚労省、年金救済、年金、保険、厚生年金、公務員、主婦、基礎年金、総務省、サラリーマン、国民年金、見直し
日経平均(円) | 10,624.09 | +97.33 | 28日 大引 |
---|---|---|---|
NYダウ(ドル) | 12,204.62 | +74.17 | 28日 12:23 |
英FTSE100 | 5,994.01 | -7.19 | 28日 16:35 |
ドル/円 | 81.89 - .92 | +0.22円安 | 1日 2:17 |
ユーロ/円 | 113.06 - .10 | +0.66円安 | 1日 2:17 |
長期金利(%) | 1.255 | +0.010 | 28日 16:36 |
NY原油(ドル) | 97.88 | +0.60 | 25日 終値 |
経済や企業の最新ニュースのほか、大リーグやサッカーなどのスポーツニュースも満載 詳細ページへ
日経ニュースメール(無料)など、電子版ではさまざまなメールサービスを用意しています。
(詳細はこちら)