7月24日に予定される地上アナログ放送の終了まで150日を切った。アナログのBS放送も見られなくなる。約9割の世帯はすでにデジタル放送に対応したが、約500万世帯はこれからだ。テレビが見られなくなる「地デジ難民」を生まぬよう対策が急がれる。
地デジを受信するにはデジタルに対応したテレビとアンテナが必要だ。家電エコポイント制度などにより、政府は受信機の普及に努め、成果は上がっている。今後は難視聴地域の解消が大きな課題となる。
電波の干渉が起きにくいデジタル放送はアナログに比べ受信できない場所は少なくなるものの、ビルの陰など電波が届かない場所は残る。そうした地域には自治体やNHKなどが中心となり、共同の受信設備などを早急に設置する必要がある。
高画質や注文などの双方向機能を楽しむには新しいテレビが要る。しかし、映像を見るだけなら専用チューナーを従来のテレビにつなげばいい。政府は生活保護世帯などを対象に約300万台のチューナーを無償配布する予算を組んでおり、制度を広く知らせることも大切だ。
受信機の普及と合わせ、特に重要となるのがテレビの回収を巡るトラブルや不法投棄への対応だろう。
テレビを処分するには15型以下で1785円、16型以上で2835円のリサイクル料がかかる。回収業者を使う家庭が多いが、料金を巡るトラブルが多発している。高齢者に法外な料金を請求する業者もおり、住民への注意喚起が必要だ。
不法投棄も深刻な問題である。廃家電の不法投棄は2001年の家電リサイクル法施行で増え、17万件を超えた03年度をピークに減少したが、2年前から再び増加した。テレビが最も多く、6割を超える。
日本の家庭には1億台を超えるテレビがあり、2台目、3台目のアナログテレビが今後、不法投棄に回る可能性は十分考えられる。自治体は監視を強めるとともに、回収業者などが不法投棄した場合には、罰則を厳しく適用すべきだ。
地デジ移行は、視聴者への負担や廃家電問題を招く一方で、利用する放送波はアナログ時代の65%で済む。その分、需要が拡大する携帯電話などに電波を振り向けることが可能だ。欧米でもドイツ、スペインなど多くの国が移行を済ませた。
09年6月にアナログ放送を終えた米国は、チューナー購入券を配り、約280万世帯を残して見切り発車した。日本では期限内に全世帯が受信可能になるようにしてほしい。
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