Xperia PLAYはソーシャルゲームを脅かすか
Sony EricssonはPlayStation Certifiedスマートフォンとなる「Xperia PLAY」を発表した。OSは、Android 2.3。PlayStation Suiteを通じて提供されるPlayStationゲームを遊ぶことができる。3月に一部地域で発売開始となり、グローバル規模に展開される予定だ。PSSの発表のときから想定された展開といえよう。
今後、Xperia PLAYやPSSが普及すれば、端末レベルから携帯電話のプラットフォームを形成していることから、既存のソーシャルゲームのプラットフォーム運営者にとっては脅威であろう。かつてさまざまな音楽配信サイトが存在したが、Appleが端末からサービスまでを提供するiPod、iPhoneを発売し、普及が進んだ後は、それらのサイトは苦戦を強いられるようになったのと同様の展開が予想される。
勝敗をわけるのは、ソニーが「サプライズ」を生み出せるか
単にハードを発売したからといって、ソフトが伴わない場合、携帯型ゲーム市場の中で大きなポジションを占めることはできない。それは、かつてのワンダースワンやPSPとDSの普及台数の違い等から証明されている。
携帯型ゲーム市場において、日本の「モンスターハンター」を除くと、世界的に任天堂のソフトの人気が高く、それが市場を支えている。そういったタイトルが任天堂と同程度発売されるのであれば、携帯型ゲーム市場でも大きなポジションを占める可能性はある。今後のソニーの「サプライズ」の可能性はソフトにあるといえよう。
逆にいえば、これまでのソニーからの発表においてこの点が不透明であることが、ゲーム機の情報提供として、魅力に欠けるものになっている。PS2の時代までであれば、世の中にコンピュータと呼ばれる端末は限られていたため、そのスペック等の高性能さは、それだけでニュースフローとしてサプライズを生むことができた。しかし現在では、端末は多様化され、さらに、類似のスペックも多く存在する時代になってしまっており、単にハードの機能を紹介したところで、サプライズにはなりづらくなっている。
むしろ、消費者はいずれハードのスペックは向上し、さらに価格も下落することを理解しているので、単にハードを購入するのであれば、後から購入した方が望ましいと考えているように思われる。さらに、後々もっと面白い端末が登場すれば、それを購入した方が良いと思うようになってきている。
こうした消費者の「モラトリアム」を許さないくらいの面白いコンテンツが、今後の注目点になると思われる。すでに、そうしたコンテンツは用意されているが、あえて隠しているのか、それともそれが存在しないかは不明であるが、今後の発表に期待したい。
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