2011年02月23日

ウソツキ社長が経営するインチキベンチャーになめられっぱなしの中小企業庁

本日13時より、中小企業庁経営支援部新事業促進課に話を聞きに行ってきました。本当は今日は群馬県でスキービジネスの仕事があったんですが、昨日の昼前に電話がかかってきて「時間調整ができたので、明日の午後に来てくれないか」とのこと。仕事一つキャンセルするだけで対応可能になる日だったのでラッキーだけど、「明日の昼に来い」とかお前らどんだけ非常識なんだよ、とは思いましたが、僕も最近おとなになったので、「了解、わかりました」と二つ返事(笑)。

さて、中小企業庁には10分ほど遅刻したんですが、「何か交通機関でも乱れましたか?」って、乱れてないよ、こっちは普通に午前中から仕事してんだ。昼ごはんも食べずに来てんだよ、とは思いましたが、「いえいえ、ちょっと別件で」とにこやかに対応。

対応者はふたり。公務員にはこの手の個人情報の秘匿義務がないので(確か、そうだったと思う)ここで二人の名前をばーーーんとだしちゃっても良いんですが、今日の時点ではとりあえず(笑)、TさんとAさんとしておきます。名刺交換、と思ったら、「名刺を切らしてまして」とTさん。嘘つくなよ、以前は別館の2階にいけばただで作り放題だったじゃんか、今は制度が変わったのかも知れないけれど、公務員が名刺を切らすわけがない、要するに、責任を取りたくない、名前を知られたくない、肩書きを教えたくない、メアドを知られたくない、ってことなんだろうけれど、本気になれば役所にはいくらでも知人がいて、そんなのすぐにばれんだよ、ばーか、と言ってあげようかと思いましたが、一応にこやかに「そうですかー」と、僕の名刺だけ渡しておいた。

もうこの時点で「こいつら、使えないな」と断定しようかと思いましたが、この人たちが僕達の税金をばらまいている人たちですから、扱いはきちんとすべきですね。非礼は良くない(たとえ、相手が非礼でも)。

ようやく本題に入りました。まず、「中小企業新事業活動促進法」についての説明。知っているけれど、一応知らないふりをして聞いておきました。当然のことながら、「これは異分野連携なので、2種以上の異なる業種の連携が前提である」という話がありました。Aさんからは電話で再三、「お金はコア企業に出したもので、リバネスには直接出しておりません」との説明(責任逃れ)があったんだけれど、そんなの嘘じゃん。お金はコア企業に振り込まれているかも知れないけれど、やっぱ、リバネスがいなかったら認定は取れないんじゃん。2社しか当事者がいないんだから。と、実はこれも事前に知っていましたが、知らないふりをして彼らから直接聞き出して、確認をしました。「リバネスがいなくなれば、認定は取り消しですね?」「取り消しです」(Tさん)。「金額はいくらですか?」と聞くと、2/3補助で最大3000万円とのこと。いや、実は総額は知っているんですよ。この事業にいくら出したの?って聞きたかったんですが、これは開示請求しろとのこと。

続いて、リバネスを呼び出して指導した件について。まず、13日に沖縄総合事務局、コア企業の沖縄長生薬草本社を呼び出し、ヒアリングと指導をしたとのこと。ただ、このときは丸社長は不在だったとのこと。はい、それは電話で聞いてます。次にヒアリングを実施したのは27日とのこと。おいおい、27日にヒアリングして、2月16日まで放置していたのかよ、お前ら、随分のんびりしてやがんな、2週間もあれば総理大臣がやけを起こして「解散だー」とかやって選挙出来ちゃうじゃんか、とか思いましたが、僕も人間が丸くなったのでじっと我慢です。「この馬鹿」とかはもちろん考えず、何かやんごとなき事情があったのでしょうね、と優しく慮るところです。ところが驚いたことにこの呼び出しにも丸社長は来なくて、担当役員が来たとのこと。はぁ?このあいだの僕への説明では、「社長に直接真意を聞かないとなので、時間がかかっている」って言ってたじゃん。それでこっちはずーーーーっと待っていたんだよ。それが、「やっぱり社長は来ませんでした」って、お前ら何の役にも立たねぇ木偶の坊だな、などとは口に出しませんし、思うこともありませんでした。この人たちの給料も僕達の税金ですから、けなしたり、貶めたりするのではなく、エンカレッジして頑張ってもらわないとです。「丸社長は海外、国内の出張で忙しいらしく」って、そんなの嘘じゃねぇか。この間は普通に三茶でハンバーガー食ってたぞ。ツイッター見ていれば丸がどこで何をやっているかなんて一目瞭然じゃん。何なら俺が全部調べ上げて報告してやろうか?目黒の家を教えてやろうか?個人のメアドも携帯の電話番号も全部知っているから教えてあげましょうか?って親切で言ってあげようかとも思いましたが、まぁ、ここでもじっと我慢です。それで、その時の内容、議事の概要については資料はまとめてあるものの、「所定の手続きを踏んで公開請求をしてください」とのこと。

はい、ここ、注目です。この、情報公開請求への対応って言うのは、役人にとってはものすごく面倒くさいことなんです。「あぁ、馬鹿らしいなぁ、なんでこんな法律ができちゃったんだろうなぁ。やりたくないなぁ」というもの。それで、今のところ、この請求には300円がかかります。でも、逆に言えばたった300円です(オンラインなら200円)。ちなみに今、これを無料化する(爆笑)法案が出されているみたいで、近々ただになるみたいですが、それまで待ってられませんよね。

情報公開の開示請求について(経産省のサイト)

「よーーーし、じゃぁ、みんなで請求しちゃおうぜ、嫌がらせしようぜ!」というわけではありませんが、みんな、知りたくないですか?あと、情報公開請求って、やってみたくないですか?これって、公務員に対する圧力としては物凄く効果的です。あ、言葉が違うな、圧力なんてとんでもない。「公務員の皆さん、頑張って働いてくれてありがとう。ただ、ちょっと、ここだけどうしても知りたいので、300円払いますから教えてください。よろしくお願い致します(はーと)」ってことです。なので、僕は個人的に情報公開請求をしてみます。皆さんもどうぞ、とは言いませんが、知りたい人は遠慮せずに請求しちゃいましょう。今日のヒアリングで「それは所定の手続きで申請してください」と言われたのは次の文書です。

○沖縄長生への補助に関する資料
○1月27日のリバネスを指導した際の議事録
○経産省からリバネスに委託・補助した案件の審査過程に関する資料
○同事後評価に関する資料
○コア企業とリバネス社の契約内容

さて、なかなか本題になりませんが、そろそろ本題です。委託の有無について。僕へのFAXで説明があった「事実誤認」とは、「補助」を「委託」としたことについてだとのこと。他省庁に対してのヒアリングから、他省庁が沖縄長生・リバネスの共同体に対して委託していないことは判明していますから、「国の委託事業でもある」とした丸発言は虚偽だったということが確定しました。T氏によると、「リバネス社は適正な訂正を行うと説明があったものの、まだ行われていない」そうで、お前ら、それで黙ってんのかよ、もう1ヶ月ぐらい経つぞ、馬鹿、とか思っちゃいそうになりましたが、馬鹿はいけないですね、馬鹿は。「そんな対応で、なめられていると思いませんか?社長に出てこいといっても社長には逃げられて、訂正するといいつつ、放置しているわけですよ?」と聞くと、「残念だとは思う」って、ああああああ、やっぱり馬鹿なんじゃないか?大丈夫か?この人たちに僕たちの税金を任せておいて良いのか?3000万円だぞ?この人たち、3000万円稼ぐことの大変さって分かっているのかなぁ。「どうぶつしょうぎアプリ」だったら、DX版だって15万本ですよ。これって、ゲーム屋さんにとっちゃ、天文学的な数字なんですが。

元木「えっと、訂正するって言っていて、直していないんですよね?」
T「対応していません」
元木「それで良いんですか?」
T「残念だとは思う」
元木「リバネスはなんて言ってるんですか」
T「社内で検討中と言っている」
元木「それで、はいそうですかって納得しているんですか?」
T「逐次連絡は入れて、早めの対応をお願いしている」

だそうで。

元木「あのですね、こんなインチキ会社に補助金出していて良いんですか?社長は「国からの委託」とか嘘の説明をしているわけですよね?」
T「でもまぁ、悪意があったかどうかはわかりませんし」
元木「悪意があったかどうかなんて、そんなのその後の対応から判断するしかないじゃないですか。彼らは何をやりましたか?発言を削除して隠蔽し、それ以外は何もやっていませんよ。普通の感覚なら、間違いなら「間違えました。申し訳ありません」と謝罪して、訂正しますよね。そういったことを何もせず、ただ隠蔽しているだけです。この会社に対して、普通の感覚なら『悪意』を感じると思いますが、違いますか?」
T「(コメントはいただきましたが、「個人的な感覚」とのことで、オフレコだそうです。なので、ここには書きません)」
元木「訂正がない以上、削除しようとも「委託」という発言は生きているんですよ」
T「それは認識している」
元木「では、期限を切ったらどうなんですか?2月末までに対応しないなら認定を取り消す、と、何でいえないんですか?」
T「状況を見て判断したいと思う」
元木「あなた達は僕達の税金を使っているんですよ。適正に対応しろと何で言えないんですか。あなた達は切り札を持っているんです。『ちゃんとやらないなら認定取り消しだ』で済む話でしょう」
T「適正に対応してくれと指導はした」
元木「だーーーかーーーらーーー、指導したって、相手が動かないなら意味ないじゃないですか。なめられているんですよ。わかりますか?」
T「随時連絡は入れておりますので」
元木「とにかく、「委託」と説明したのは嘘だったと中小企業庁も認識しているわけですね」
T「認識している。そして、訂正するという説明があった」
元木「そんなことで良いんですか?外部から「こんな怪しい健康食品を売りやがって」と突っ込まれて、「いえ、これは国の委託事業なんです」と、国を正当化の材料に使っているんですよ?」
T「そのあたりにつきましては、消費者庁とか、厚生労働省とかの管轄で、私達としてはなんとも」
元木「いや、そういうウソツキ社長が運営するインチキ会社が、国が補助や委託を出す相手として適切なのか、ということなんですよ」
T「そこはなんとも」
元木「じゃぁ、こういう資料に暴力団の名前があったらどうするんですか」
T「そういう場合は採択はしませんが」
元木「今回は、そういう話ですよね?」
A「すいません、元木さんは、健康食品を販売する会社に国の補助金を出すというのは全部ダメだ、というスタンスなんでしょうか」
元木「そんなことは全然言ってませんよ。きちんとした科学的エビデンスがあるならどんどんやれば良いじゃないですか。「こういう風にやるべし」といのは僕のブログでも紹介しています(注1)。ただ、何の証明もないものを「健康食品」として売るのは駄目ですよね。民間企業でもそういう会社は山ほどありますけど、そこに補助金を出すのは駄目でしょう?国がそういうインチキ商売に加担するんですか?」
A「わかりました」
元木「βカロテンだって、あんなの、米国ではほとんど販売できないようなものですよ」
T「しかし、βカロテンは、本事業ではないので」
元木「そんなの関係ないじゃないですか。外から見たらわかりませんよ。どこまでが国の委託で、どこからが国の委託じゃないか、なんて。まぁ、今回は全部委託じゃないけど。さっきの暴力団の話であって、補助や委託するのに適切な会社なのか、ということです」
T「はい」
元木「ウコンとしじみだって、『日本一の長寿県である沖縄のウコンと、健康食品として注目を集めている青森のしじみ』って、沖縄の長寿とウコンがどう関係あるかなんて全くわかっていないし、青森は日本で一番平均寿命が短い県ですよ。なんですか、その説明は。全部インチキじゃないですか。それで、「サイエンスにこだわった」とか、「国からの委託」とか、そんな会社に補助するのが適切か、と聞いているんです」
T「適正に対応するようにお願いはしています」
元木「とにかく、インチキ会社に補助金なんてとんでもない、ということです」
T「適正に対応するようお願いしている」

時間が無駄っぽいので、この話はこの辺で終了しました。とりあえず、月曜までに何か対応があるか、待ってみる、ということになりました。

続いてウコンとしじみの相乗効果について(本当は上記のやりとりの中にあったんですが、今回は話の流れがあるので別途書きます)。この部分は中小企業庁でも把握していないとのこと。なんだ、やっぱり嘘なんじゃん。何の根拠もないんじゃん。

元木「では、科学的エビデンスとか、嘘なんですね?」
T「把握はしていません」
元木「それで良いんですか?」
T「いや、やっているかも知れませんし。公開されていないだけで」
元木「でも、リバネスにはそんな分野の専門家はいませんよね?」
T「それは把握していません」

だそうで。そんなこんなで、

T「すいません、そろそろ次の打ち合わせがありますので」

とのこと。しょうがねぇなぁ、これじゃぁなめられても仕方ないよなぁ、とは思いましたが、ま、とりあえず重要なことがいくつかわかりましたし、月曜日までに中小企業庁がどこまで指導力を発揮できるのか、見守ってみたいと思います。

さて、まとめ。今日わかったこと。

1.「国の委託事業です」発言(発言現場はこちら)は真っ赤な嘘である。
2.ウコン、しじみ、味噌はただ混ぜただけで、科学的エビデンスについて中小企業庁は一切把握していない。
3.中小企業庁はリバネスに対して訂正を要求しているが、リバネスはほぼ一ヶ月間、この指導を無視している。
4.中小企業庁の呼び出しに対して丸社長は都内にいるにも関わらず(出張でいなかった時期もある)、「海外出張」「国内出張」と称して逃げ回っている。

注1)僕が紹介したのはこのサイト「コーヒーと健康

以下、関連エントリー
その1「どうしてこうなったんだろう?」
その2「リバネス批判」
その3「国からの委託・補助の状況(調査進行中)」
その4「博士号を利用したマーケティング」
中間報告:リバネスを中小企業庁が呼び出し、指導することが決定
食品関連のマーケティングで見かける科学者の専門性判定
中小企業庁への要望書(ファックス送信済み)
サイエンスにこだわるのをやめちゃった(笑)リバネスショップ
リバネスの健食の件について、ようやく中企庁経営支援部新事業促進課から返答があった
中小企業庁に対して、再質問
リバネス問題に関してひどい対応の中小企業庁

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この記事へのコメント
リアルな公務員の口上、とても勉強になります。
「中小企業」庁なのに、3000万円という額の金をこんなに
テキトーに扱ってるんですね。
3000万円という額が、中小企業にとってどのくらいの重みが
あるのか分からない方々が中小企業庁職員なのですね。。。
はっきり言って霞ヶ関で働くための要件に
「新卒でない者は民間での経験3年以上」
「新卒者なら学生時代に起業経験あり」
などを入れて欲しい。
Posted by mossari at 2011年02月23日 23:18
> リアルな公務員の口上、とても勉強になります。
> 「中小企業」庁なのに、3000万円という額の金をこんなに
> テキトーに扱ってるんですね。

あ、あくまでも限度額が3000万円であって、このコンソにその金額を出したというわけではないです。それは情報開示請求しないとわかりません。

> 「新卒でない者は民間での経験3年以上」
> 「新卒者なら学生時代に起業経験あり」
> などを入れて欲しい。

でも、学生時代に起業経験のある奴は学生時代にちゃんと勉強していませんから、使いものになる奴はほんの一握りですけどね。だから、採用しないのが良いかも?あー、でも、お金の大事さは知っているか。
Posted by buu* at 2011年02月23日 23:53
やめちゃったんですか!信じられない。やっとMLが面白くなってきたのに。事務連絡と技術士の宣伝ばかりのつまらないMLに逆戻りです。大体、松田さんに失礼とかひどい誤読です。普通に読めばそんな解釈にはなりません。別の意図があるんでしょうね。元木さんに書いて欲しくない何かが。
Posted by MLより at 2011年02月24日 03:54
> やめちゃったんですか!

管理人が言論統制するならいても仕方ないですよね(笑)。MLの方針は方針。従いたくないから、辞めれば良いだけの話です。

> 大体、松田さんに失礼とかひどい誤読です。普通に読めばそんな解釈にはなりません。

これは僕もそうだと思います。だって、あれ、松田さんに書いたんじゃないもの(笑)。あのMLには恐らく「うっ」と思ってしまう人たちが少なからずいて、彼らを擁護するのに松田さんを利用したというのが僕の見方です。わかりませんけどね(笑)。あの文脈でもし松田さんが「失礼だ」と感じたのなら、まずは松田さんからクレームが出るべき。大体、僕は松田さんが社長の会社に籍があるんですけど(笑)。

> 元木さんに書いて欲しくない何かが。

可能性は否定しません。smipsのサイト、リバネスの制作だしね(笑)。
Posted by buu* at 2011年02月24日 10:37
最後の一行で納得しました。気をつけよう。
Posted by MLより at 2011年02月24日 12:32
> 最後の一行で納得しました。気をつけよう。

分かっていてやるのと、知らないでやっちゃうのは全然違いますからね。
Posted by buu* at 2011年02月24日 12:51