ツイッターに書き込み「京大の試験官、監視なかった」…入試問題投稿事件

　京都大などの入試問題がインターネットの質問サイトに投稿された問題で、短文投稿サイト「ツイッター」に「京大の試験官は監視してなかった」と書き込みがあったことが２８日、分かった。

　入試問題を「ヤフー知恵袋」に投稿した人物と同じハンドルネーム「ａｉｃｅｚｕｋｉ」が交流サイト「ミクシィ」にもあり、ミクシィの自己紹介文とツイッターの自己紹介文が同様の内容だった。ミクシィには、都内の高校に通う１８歳の男子生徒と書き込んでおり、名前の記載もあった。

　ツイッターは報道前に開設。内容は「京大の試験官は全然監視してないからカンニングしほうだいだったよ。さすがに周りの受験生がいるからあれだが、トイレにいけばカンニングとか余裕な状況だった」としていた。

　京大の英語の試験中に質問サイトに寄せられた英訳の回答の一部がインターネットの翻訳ソフトによるものとほぼ同一であることも新たに判明。東京の大手進学予備校は「主部がないなど文法が間違っており、意味も通じない。ゼロ点の解答」としている。

　また京大によると、投稿された「文系数学」のうち１問は試験開始直後に板書して訂正した。投稿には訂正が反映されており、会場の受験生が書き込んだ可能性が高い。

　京大の担当者は２８日午後、被害届を提出する予定で京都府警本部を訪れたが、提出に至らなかった。「関係書類を提出したが、さらに事実関係を精査する。告訴するかどうかは早急に結論を出す」としている。府警は入試運営などに支障を与えた可能性があるとして、業務妨害容疑での立件を視野に、サイト運営会社や携帯電話のデータを基に投稿者を特定する捜査に本格的に乗り出す。

　一方、早稲田大は同日、調査委員会を設置。立教大は警視庁に相談し、同志社大も被害届提出を検討している。高木義明文部科学相は「入試の公平性、信頼性を著しく損なう」と語り、携帯電話の試験場への持ち込みについて「禁止も含めて考えないといけない」と述べた。

　神戸大大学院の森井昌克教授（情報通信工学）によると、投稿者特定には、ネット上の住所に当たるＩＰアドレスと携帯電話会社が持つ契約者情報が必要。機体の番号や通信記録など携帯電話会社の契約者情報を分析し、サイト側の記録と照合する作業が必要という。

（2011年2月28日19時19分スポーツ報知）