昨夕からの雪で、都会では数々の事故や怪我が相次いだ。15日午前午前9時頃、東京・渋谷区で、母親(31)が自転車の前後に子供2人を乗せて運転していたところ、雪で滑って転倒し、子供1人が車にひかれて重傷を負った。
事故があったのは、渋谷区南平台の路上で、母親が子供2人を自転車の前後に乗せて運転していたところ、雪にタイヤを取られて転倒した。その際、女児(5)が車道に転がり、会社員の男性(32)が運転するワンボックスカーにひかれた。女児は腹の部分をひかれて重傷だが、意識はあるという。
街中で、子供を自転車に乗せた母親の姿をよく見かける。このうち幼児2人との3人乗りは本来規則違反だった。だが警察庁が規則の厳格運用を打ち出したため、子供を持つ親から反発の声が上がった。そこで同庁は、安全基準を満たす「3人乗り自転車」であれば、これを容認する方針に転換し、規則改正を実施した。
幼児を持つ家庭には自転車の同乗ニーズが存在する。送り迎えや買い物などの際、幼児を乗せて簡単に移動できるためだ。同じことを自動車や徒歩などで行おうとするとお金や手間がかかる。かといって核家族では子供を預けることが難しい。警視庁が行ったアンケートによれば、6歳未満の子供のいる保護者のうち45.1%が子供を自転車に乗せた経験を持っていた(子供1人との2人乗りが31.7%、子供2人との3人乗りが12.7%)。
だが同乗には危険がつきものだ。警察庁の調べでは、2007年に自転車での同乗中に事故で負傷した6歳未満の子供は全国で1804人いた。また2005年に全日本交通安全協会が実施したアンケートによれば、子供の同乗経験を持つ保護者のうち事故経験者は13.1%いた。この割合は都市部になるほど増える。
このような事故は走行中にだけ起きているわけではない。前述の全日本交通安全協会のアンケートによれば、事故が起きた状況は走行中が42.2%、停車中が32.2%、発進時が12.0%、押し歩き時が7.7%などと分散している。このうち注目すべきは停車中の事故。専用椅子に子供を乗せたまま目を離した隙に、子供がバランスを崩して落ちてしまう。このような事故では、子供の頭部が危険にさらされる。
3人乗り自転車の事故による危険性について、注意が必要である。