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“市民ランナー”川内が世界選手権代表に決定 実業団に衝撃を与える好走

産経新聞 2月27日(日)20時25分配信

“市民ランナー”川内が世界選手権代表に決定 実業団に衝撃を与える好走
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日本人男子トップの3位でゴールした川内優輝。ゴール後、倒れ込んだ=東京・江東区(大西史朗撮影)(写真:産経新聞)
 市民ランナーが新星に躍り出た。27日の東京マラソンで、埼玉県立春日部高校の定時制で事務職を務める川内優輝(23)=埼玉陸協=が2時間8分37秒で日本人トップの3位。世界選手権(8月開幕、大邱=韓国)代表に決まった。公務員が果たした大仕事は、実業団主導の男子マラソン界に大きな衝撃を与えた。

[フォト]誇らしげに金メダルを手にする川内

 ゴールテープを切った直後、川内は立ち上がる力も残っていなかった。「勝ったのはうれしかったんですが…。すぐに医務室行きでした」と苦笑い。42・195キロで精根尽き果て、約1時間の休養が必要だった。

 39キロ過ぎで日本人トップだった尾田賢典(30)=トヨタ自動車=をとらえて豪快に抜き去った。「レースでは負けたくないんです。死んでもいいという思いで走りますから」。その執念はすさまじい。

 自らを「落ちこぼれ」と評す。埼玉の春日部東高時代は故障がちで全国大会の経験はない。進学した学習院大でも陸上部での箱根駅伝出場はなく、個人として関東学生陸上競技連盟選抜(学連選抜)チームのメンバーに選ばれ、2度走るにとどまった。公務員試験が始まった時期に、実業団からの誘いを受けたが、きっぱりと断ってもいる。

 この日は全国都道府県対抗駅伝で埼玉県代表に選出された際に支給されたユニホームを着て走った。シューズも遠征費も自前。勤務は午後零時45分から同9時15分。毎日の練習は午前中に1回で、月間走行距離も600キロ程度と少なく、3部練習も行う実業団とは対照的だ。

 強烈な自負はある。「実業団には負けたくない。お金をもらわず、(私は)払って陸上をしている」。高校3年の時に亡くなった父の葦生(あしお)さんは、深夜に帰宅しても入念にマッサージをしてくれた。そうした多くの支えに感謝を込めて走っている。

 日本陸連の坂口泰・男子マラソン部長は賛辞を惜しまなかった。「実業団の選手はショックでしょう」。社会人になって5千メートルからフルマラソンまでの自己記録を更新した新鋭は「(自分でも)どこまで伸びるか楽しみです」。この夏、市民ランナーの星が世界の舞台に挑む。(榊輝朗)


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最終更新:2月28日(月)6時59分

産経新聞

 

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