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[国際]ニュース トピック:エジプト
【環球異見】カイロ米女性記者集団暴行 米誌「残忍かつ持続的な性的暴行」公表を決断した理由
バーカー氏は、公表したローガン氏の勇気を称賛する一方、メディア内部に知らず知らず、危険な取材から女性を遠ざける空気が生まれる可能性を危惧する。
「もし戦場から女性ジャーナリストがいなくなれば、現場の女性たちの声は単なる噂話としてしかとらえられなくなってしまうかもしれない」。バーカー氏は、戦場に女性ジャーナリストは必要なのだと声を大にして主張している。(ニューヨーク 松尾理也)
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インディペンデント(英国)
■危険なのは男も女も同じだ
国際報道のベテラン女性記者、英民放チャンネル4のリンジー・ヒルサム氏(52)は19日付の英紙インディペンデントで、戦争や騒乱の第一線の取材で危険なのは男性も女性も変わらないと主張した。ヒルサム氏は1994年にルワンダ虐殺が始まったとき、現場に居合わせた唯一の英語圏ジャーナリストとして知られる。氏は民間団体が調査した女性特派員29人の半数以上が現場で性的暴力を受けたとの結果を引きつつ、「幸運にも私は性的暴力を受けたことがない」と語る。
しかし、報道現場の危険度は増している。92年に殺害されたジャーナリストは55人だったが、2007年には210人にのぼった。
「衛星放送やインターネットの普及に伴い、政府やゲリラが情報をコントロールしようとジャーナリストを標的にしているからだ」という。
先のエジプト政変でも、国営テレビがイスラエルのスパイが欧米の記者を装っていると示唆した後、アレクサンドリアで取材していたヒルサム氏の車が群衆に取り囲まれた。屋根がたたかれ、群衆は首を手で切り落とす動作をして脅したが、エジプト軍によって救出されたという。
「爆弾に身をすくめ、銃弾をかわす。第一線での危険は男も女も同じだ」という氏は中東取材ならではの女性の利点を指摘する。伝統を重んじるイスラム女性は見ず知らずの男性には会わないが、女性特派員ならその種の問題は生じない。
氏は「タハリール広場は歓喜と新時代への約束、革命の複雑さに満ちていた。中東の変革を現場から報じるには危険を伴うが、これは同時代で最も魅力的で重大な出来事なのだ。私たちは第一線にいなければならない。男も女も」と結ぶ。(ロンドン 木村正人)
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