(CNN) 米中西部ウィスコンシン州のウォーカー知事が提示した予算削減策に同州の公務員らが一斉に反発している問題で、公務員側を支持するリベラル系政治団体「ムーブオン・オーグ」などが主催する抗議デモが26日、全米50州で行われた。
デモの震源地となったウィスコンシン州の州都マディソンでは、降り積もる雪と寒さのなか、議事堂前に約7万人が集まり、知事退陣を求めるスローガンを叫んで行進した。地元警察によると、衝突などは起きていない。
一方、ワシントン州の州都オリンピアでは、公務員支持のリベラル派と知事支持の保守派がそれぞれ議事堂前で集会を開いた。
ウィスコンシン州では、公務員の団体交渉権を大幅に制限する共和党の法案が下院を通過し、次の段階として上院での採決が予定されている。これに対して民主党が、「労働組合をつぶす行為に等しい」と強く反発。採決を阻止するため、同党の上院議員14人が隣のイリノイ州へ逃げ込む事態となっている。
ウォーカー知事は、州の財政赤字を縮小するための法案だと強調。議会で可決されなければ州から地域への補助金が削減される可能性もあると指摘するなど、説得に努めている。
一方、ソリス米労働長官は26日、ワシントンで開かれた民主党全国委員会の会合で、ウォーカー知事や、同様の法案成立を目指すオハイオ州のケーシック知事を批判。公務員の労働者としての権利を尊重すべきだと呼び掛けた。
米中西部ウィスコンシン州のウォーカー知事が提示した予算削減策に同州の公務員らが一斉に反発している問題で、公務員側を支持するリベラル系政治団体「ムーブオン・オーグ」などが主催する抗議デモが26日、全米50州で行われた