東京ミッドタウンの人気カフェのディナーが70%offの2000円。エステの2回コースが91%offで1000円。高級アイスクリームは100円・・・こうした破格の安さを売りにした広告がネット上で目につく。一体なぜそんな安売りが可能になるのか。
「クーポン共同購入サイト」と呼ばれるニュービジネス。価格が割り引かれた商品の引換券・クーポンが売りに出され、サイトを見た希望者が申し込む。一定の時間内に、予め決められた数の申し込みがあると売買が成立。代金を支払うことでクーポンが発行され、店で商品やサービスの提供を受ける。
時間と人数にしばりをかけて販売する手法は“フラッシュマーケティング”と言われ、インターネット業界で大きな注目を集めている。
このビジネス、アメリカの「グルーポン」が2年前に始め、瞬く間に35カ国に広がり、売り上げは年間5億ドルに達するとされる。市場の広がりに目をつけたグーグルも参入を示唆し始めた。
日本では昨春にビジネスが始まり、少ない初期投資でビジネスを始められることから、今や200近い業者のサイトが乱立。
市場規模は50億円を超えたと言われる。
しかし、急激な拡大に伴ってトラブルも目立ち始めた。
正月に起きたおせち料理が「見本の写真と違う」という苦情が相次いだ問題。実は、他の商品でも「割引前の価格を、定価より高く設定しているのではないか」という消費者の疑念の声や、「サイト運営業者がもうけを増やすために、さばききれないクーポンの発行を強要された」といった店側の声などが相次いでいた。
ビジネスに詳しい専門家は、運営業者が価格の設定基準を明確にすることや、出品審査の厳格化などのルール作りを急がなければ、業界の存続が危うくなると警告する。
番組では、サイト運営業者、商品を出す店、利用者に密着することでフラッシュマーケティングがなぜ急速に拡大しているのかを明らかにするとともに、なぜトラブルが発生しているのか、そして、どう対策を進めていくのかを追跡する。