北朝鮮「心理戦が続けば臨津閣を照準射撃」
韓国軍「それでもビラ飛ばし続ける」
北朝鮮が27日、韓国軍や民間団体による対北ビラ散布などの心理戦に対し「照準射撃を行う」と表明したことを受け、韓国政府内に二つの流れが形成されている。
韓国軍関係者は対応策を尋ねる記者の質問に「北朝鮮の脅迫には影響されない」と答え、南風が吹けば、既に作ってある対北ビラや生活必需品を北に向けて飛ばすという立場を示した。脱北者団体の関係者も「北朝鮮のおどしには振り回されない。ビラを飛ばし続ける」と語った。しかし、別の安全保障関連部局の幹部は「民間団体が対北ビラを散布することにに対し、政府が介入すべきではないが、韓国軍が対北ビラを直接撒くのがどの程度効率的なのかは、考えてみなければならない。軍が直接対北ビラや生活必需品を飛ばすことについては、政府内にも異なる意見があると思う」と語った。韓国政府は、近いうちに関係部局の会議を開き、対北ビラ散布問題に関する方針を定める予定だという。韓国政府の消息筋は「韓国軍は昨年11月、北朝鮮による延坪島挑発の直後にビラ40万枚をまくなど、これまでに800万枚を北に向け飛ばし、今月初めには6年8カ月ぶりにレトルトご飯などの食料品や生活必需品6億ウォン相当(約4362万円)を大型風船に吊るし飛ばした」と話した。
南北将官級軍事会談の北朝鮮側代表は27日午前8時、西海(黄海)地区の軍用通信網を通じ「南側の心理戦行為が続くなら、臨津閣をはじめとする反共和国心理謀略行為の発源地に対するわが(北朝鮮)軍隊の直接照準射撃が断行されるだろう」という内容の通知文を送った。北朝鮮は、ビラや物品散布に対し「容認できない犯罪行為」と語った。
北朝鮮軍の板門店代表部も、28日に始まる韓米連合軍事演習「キーリゾルブ」および「フォールイーグル」を非難し「(これらの演習は)“急変事態”を狙い、体制“崩壊”を目的としていることを公開した以上、わが(北朝鮮)軍隊は、米帝の軍事的占領と逆賊輩党の統治体制を全面崩壊させるための総攻勢に出るだろう」と表明した。また「侵略者の挑発に全面的に対応する」「ソウル火の海戦のような無慈悲な対応を目にすることになる」とも語った。
韓米連合司令部は28日から11日間の日程で、韓半島(朝鮮半島)での局地戦や全面戦、北朝鮮の急変事態といった状況に備えた韓米合同軍事演習「キーリゾルブ」を韓国全域で実施する。
ユ・ヨンウォン記者
アン・ヨンヒョン記者
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