北が心理戦に反撃警告、実際に挑発可能性も(上)

 北朝鮮は27日、「韓米合同軍事演習(キーリゾルブ)に全面戦で対応する」「臨津江など心理戦の拠点に照準破壊射撃を行う」と脅迫した。北朝鮮が敏感な反応を示すのは、金正日(キム・ジョンイル)政権が現状を深刻に受け止めている証拠でもある。

後継体制への脅威と認識

 現在の北朝鮮政権が最も重視する問題は、金正日総書記から三男の正恩(ジョンウン)氏への権力を引き継ぐ後継体制を早期に安定させることだ。こうした中、「全世界の独裁政権が相次いで崩壊している」「世界の恥、三代世襲」といった内容が盛り込まれた北朝鮮向けビラは、北朝鮮で神聖視される金正日一家を直接攻撃する内容だ。ただでさえ、北朝鮮指導部は住民の離反が深刻化することを懸念している。

 北朝鮮専門家は、現状を放置すれば、後継体制そのものが脅かされかねないと北朝鮮側が感じているはずだと指摘する。韓国大統領府(青瓦台)関係者は「真実のウイルスには、独裁政権のいかなるワクチンも通用しないことを北朝鮮も知っている」と指摘した。

過去にも過敏な反応

 北朝鮮は過去にもビラ散布のような韓国側の心理戦に過敏な反応を見せた。昨年5月24日、天安爆沈事件を受けた韓国側の対応措置として、心理戦の方針が示されると、北朝鮮は前線中部地区の司令官名義の警告書で「拡声器などに照準を合わせて射撃を行う」と警告した。韓国統一部関係者は「南北軍事会談が開かれるたびに、北朝鮮はビラ散布の中断を要求してきた」と語った。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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