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牛乳の賞味期限が10日から数カ月に 71歳社長、殺菌技術で特許

産経新聞 2月27日(日)21時29分配信

牛乳の賞味期限が10日から数カ月に 71歳社長、殺菌技術で特許
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高電界殺菌技術の実験に使った電極をもつ井川さん。簡便な装置で食品の賞味期限を延ばす効果が期待される=大阪市此花区(南昇平撮影)(写真:産経新聞)
 食品を加熱せずに無害で殺菌できる技術を、還暦を過ぎて起業した大阪のベンチャー会社社長が開発し、特許を出願した。「高電界」と呼ばれる環境を常温で安全に作り出す仕組みで、牛乳なら風味を損なわずに賞味期限を数カ月に延ばせるという。年内の実用化を目指し乳業メーカーなどと装置を共同開発中で、賞味期限の短い食品の輸出機会が拡大するなどの効果が期待できそうだ。

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 大阪市此花区の機能性セラミック製造業、アキュサイト=井川重信社長(71)=が開発した。井川さんは中山製鋼所の元取締役で、定年退職後の61歳で起業。製鉄の経験と知識を生かしセラミックを用いた浄水器などを製造しており、ミネラル水の自動販売機をこれまでにスーパーなどへ約150台販売している。

 井川さんは既存の殺菌・滅菌技術に対し、「水道水の塩素は人体の免疫自体を弱め、プラズマは高価なうえ、有害なオゾンを発生する」などと懸念していたという。そこで大きな電位差のある空間(高電界)に細菌を含む液体を通せば、細菌の細胞膜の内外に電圧の違いが生じ、細胞膜が破れて死滅する−と想定。試行錯誤の末、電気を蓄えるコンデンサーを改良した電極で2千ボルト前後の高い電位差の高電界を作り、大腸菌を含む水を通すと大腸菌は死滅したという。

 理論を実験で裏付けるまで1年がかり。井川さんは「コンデンサーの構造を利用したのは、まさにひょうたんから駒。研究を長年やり尽くすと、とっぴなことを思いつく」と振り返る。実験装置は手のひらサイズの基板に電極を張り付けたシンプルな構造で、数ボルトの電圧と100ワット以下の電力だけで動かせるため、コストが低く安全だという。

 牛乳は短時間に大量生産するため、現在は数秒間の高温加熱殺菌が主流。通常より高温で殺菌し、保存性の高い紙パックに詰めたロングライフ牛乳を除くと賞味期限は長くても10日程度だが、この技術を応用すれば風味を損なわずに期限を数カ月に延ばせ、輸出の拡大も期待できる。

 装置の価格は、大規模工場向けなら熱処理装置の半分程度の2千万〜3千万円に抑えられる見込み。井川さんは「年内には実用機を作る」と意気込んでいる。


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最終更新:2月27日(日)22時33分

産経新聞

 

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