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社説

小沢氏の起訴 重い課題を抱えつつ 2月1日(火)

 民主党の小沢一郎元代表が政治資金規正法違反の罪で起訴された。検察審査会の2度の議決を受けて、東京地裁から検察官役に指定された弁護士による強制起訴である。

 国会議員は初めてのケースになる。国民の関心は高い。事件の真相や法的責任の有無について、法廷の場で明らかになることを期待したい。

 起訴状によると、小沢元代表は2004年に自らの資金管理団体「陸山会」に4億円を貸したが、04年の収支報告書に記入しなかった。また、本来は04年分に載せるべき土地購入費の支払いを翌年分に記入したとされる。

 東京地検特捜部は同法違反の罪で元秘書3人を逮捕・起訴したが、小沢氏は不起訴とした。今回の強制起訴は、これをくつがえし、元代表も共謀した疑いがあると判断したものだ。

 小沢元代表は記者会見で、強制起訴は「検察の起訴のように有罪の確信があって行うのではない」としたうえで、「無実はおのずと明らかになる」と述べた。全面対決の姿勢を崩していない。

 強制起訴は多くの国民が抱く疑問を反映した結果とみることができるが、立証は難しさも予想される。事件の解明がどこまで進むか、注視したい。

 気になるのは、検察不祥事が影を落としていることだ。

 例えば、大阪地検特捜部の証拠改ざん事件で逮捕・起訴された元検事は、「虚偽記入」の鍵を握るとされる小沢氏の元公設第1秘書の取り調べを担当していた。東京地検は供述調書の証拠提出を撤回した経緯がある。

 こうした事態を踏まえたうえで、元代表の強制起訴の意味をあらためて吟味する必要がある。

 強制起訴のあり方そのものについての議論も要る。検察審査会は「国民は裁判所によって本当に無罪なのかそれとも有罪なのかを判断してもらう権利がある」と述べている。

 起訴段階にも国民の司法参加が進んだ点は評価できる。半面、起訴に至る関門が広がり、人権が侵害される懸念がある。裁判員裁判と併せて、刑事裁判の姿が変わっていく転換点を迎えたと言えるだろう。多方面から冷静な検証が求められるときである。

 小沢元代表は法廷とは別に、引き続き国民に対する説明責任を負っている。会見では政治への意欲をあらためて表明した。そうであればなおのこと、国会できちんと説明するのが筋というものだ。

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