ネットの書き込み監視、民間に委託 府・京都市両教委
京都府と京都市の両教育委員会が昨秋から、民間委託で児童や生徒のトラブルになりそうなインターネットの書き込みの監視に取り組んでいる。いじめに発展しそうな誹謗(ひぼう)中傷もあり、書き込みの削除や生徒指導で対応している。2011年度当初予算案でも両教委は計1100万円を確保し、ネットモラルの向上を目指す。
子どもが開設する非公式の学校裏サイトや自己紹介サイト「プロフ」などは掲示板の書き込みがネットいじめに発展したり、個人情報の公開で犯罪に巻き込まれる危険性をはらむ。
しかし、そうしたサイトや掲示板は多様な上、隠語の使用など巧妙化し、教員の把握が難しくなっている。専門業者のノウハウで早期にトラブルの兆候を把握しようと民間委託が広がっている。
両教委の委託業者は昨年9月から、校名やその学校の生徒たちが使いそうな言葉から関係のあるサイトを見つけ、教委に報告している。対象は府内の公立小中高校と特別支援学校の計667校。
1月下旬までの調査では、具体的な自殺や犯罪の予告といった緊急性のある書き込みは見つからなかったが、早期に対応が必要なケースが中学校や高校で37件あった。
特定できる形で生徒や教員の悪口や中傷、万引など犯罪の告白、「死にたい」との書き込みなどの事例があった。文章の削除を業者に求めたり、動向を注視しているという。
他に不適切と判断したケースが計6663件あった。他人を含む名前や連絡先、顔写真など個人情報の掲載が大半で、学校への中傷もあった。両教委は「人を傷付ける書き込みや個人情報公開がまだ多い。不特定多数が見るネットの危険性の周知や情報モラル教育を徹底したい」としている。
【 2011年02月27日 22時52分 】
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