東芝傘下の米原子力発電大手、ウエスチングハウス(WH)は18日、新型の小型原子炉を開発すると発表した。出力は20万キロワット級と、現在主力の原子炉の約5分の1で、小型の火力発電所並み。既存技術を応用し、開発・建設コストを大幅に抑える。米国に多い中小の電力会社の原発導入需要を狙う。
2010年代の後半にも「スモール・モジュラー・リアクター(SMR)」と呼ぶ小型原子炉を実用化する。米国では7万~8万世帯の電力需要を賄うことができる。2013~14年にも1号機が稼働する新鋭の加圧水型軽水炉(PWR)「AP1000」を基に設計を進める。すでに確立した設計や技術を応用して、開発・建設コストを抑える。保守点検などもしやすくして運用費用も抑える。
SMRは出力20万キロワット級の石炭火力発電所に比べ、二酸化炭素(CO2)排出量を年間134万トン(森林12万ヘクタールで吸収されるCO2量に相当)削減できるという。
米では全土に多数の中小の電力会社が散らばる。電力需要増にともなう新規原発建設のほか、既存の石炭火力発電所からの置き換えを狙う。通常の原発は1基50億ドル程度の建設コストがかかり、米国での原発普及に向けた課題になっている。
さらに米国では「シェールガス」とよばれる新型の天然ガスの生産本格化でガス価格が下落し、ガス火力発電の発電コストの競争力が高まっている。コスト競争力の高い小型原発の開発ニーズは強まっている。
オバマ米大統領も2012会計年度(11年10月~12年9月)の予算教書で、建設費の安い小型原子炉の研究を支援するなど、クリーンエネルギー関連の政策強化を打ち出した。エネルギー省関連の予算は現状より12%上積みする方針だ。
一方、東芝も独自の小型原子炉「4S」を開発中で、10年代後半にも実用化する。4Sは出力1万~5万キロワットで、原子炉で発生した熱を伝える冷却材に液体ナトリウムを使い、原子炉を小型化。保守管理の負担を減らし、約30年の長期連続運転が可能になる。
東芝は米マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏が出資する原発ベンチャー、米テラパワー(ワシントン州)とも、燃料交換せずに最長100年運転できる「TWR」という小型の新型原子炉で、技術開発の可能性を検討している。
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