ロシアの国防相は、北方領土に駐留する軍の部隊について最新の軍事設備を導入して強化する方針を示し、ロシアとしては、軍事面での整備も急ぐことで、北方領土の実効支配をさらに強めるねらいがあるものとみられます。
これは、26日、ロシア極東のウラジオストクを訪問したロシアのセルジュコフ国防相が記者団に明らかにしたものです。この中でセルジュコフ国防相は、現在、北方領土の国後島や択捉島に駐留している砲兵師団などの部隊について、「最新の通信システムやレーダーの整備によって強固なものになる」と述べ、強化を図る方針を示しました。北方領土の軍事化を巡っては、25日、マカロフ参謀総長も、フランスが開発した大型の強襲揚陸艦をウラジオストクを拠点とする艦隊に配備し、北方領土の防衛任務に当たらせる方針を示すなど、ロシアはこのところ、北方領土の防衛を重視する姿勢を強めています。ロシア政府は、去年11月、北方領土を訪問したメドベージェフ大統領の指示を受けて、インフラ整備などの開発を本格化させていますが、ロシアとしては、軍事面での整備も急ぐことで、北方領土の実効支配をさらに強めるねらいがあるものとみられます。