私の広瀬川インタビュー
トップページ >私の広瀬川インタビュー目次 >私の広瀬川インタビュー(第18回)

日時:平成22年11月12日(金)
場所:イタリアンレストラン「アルフィオーレ」
聞き手:佐藤幸輝(仙台市建設局広瀬川創生室)



3.広瀬康一君の由来は?

聞き手

「ジョジョ」第四部には、語り部として「広瀬康一」君
というキャラクターが重要人物として登場します。
こうしたキャラクターに「広瀬」と名付けられた
先生の意図は、広瀬川を仙台のシンボルとして
考えられてのことなのでしょうか?

  「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第32巻

<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第32巻>

荒木さん

やっぱり「広瀬川」を出さないわけには
いかないじゃないですか!
杜王町は仙台市ではないですが。
さとう宗幸さんの大ヒット曲もありますし、
広瀬康一君は仙台のシンボル・広瀬川から、
それしかないですよ。

聞き手

ありがとうございます。
仙台市に住む「ジョジョ」ファンにとって、
とても嬉しい話です。
以前広瀬川沿いに「河童」の銅像を市民の寄付で建立しよう
という企画があったようですが、
「ジョジョ」ファンだったら広瀬康一君の銅像を
建てたいと思うでしょうね。
では、仙台を離れた今、懐かしく思う場所や、
今でもよく立ち寄る場所などはありますか?

荒木さん

少年時代に遊んだ小松島の方には今でも行きますよ。
昔からあんまり変わっていないですよね。
与兵衛沼周辺も公園区域として自然が残されていたりして、
いいですね。
あと台原森林公園や東北薬科大学側の瞑想の松とか。

  台原森林公園

<参考 杜の都緑の名所100選 台原森林公園>

  瞑想の松

<杜の都緑の名所100選 瞑想の松 撮影 高橋政吉>

聞き手

懐かしい場所を訪ねて足を運ばれるのでしょうか?

荒木さん

本当によくあの辺で遊んでいたので。
そうですね、いいことも悪いことも
いろんな思い出があります。

聞き手

「動物の足跡を追っていろいろ訪ね歩くのが
好きな少年時代だった」というお話も伺いました。

  足跡

荒木さん

先程の埋蔵金探しではないのですが、
いろんなものを追跡するのが好きで、今でも動物の足跡とか、
すごく興味があります。

聞き手

今年は熊の餌となるナラの実が不作で、
人里までよく熊が降りてくるそうですが、熊の足跡なども…

荒木さん

仙台でも熊が降りて来るんですか?
水溜りのそばとかに爪で引っ掻いた跡があると、
背筋がぞっとしますよ。
「ほんとに、ここに居るんだ、通ったんだ」って。

聞き手

ところで、今年(注:2011年)でデビューから30周年と伺っています。
1987年の「ジョジョ」連載開始からは24年が経ち、
その間に日本を取り巻く社会情勢も
大きく変化したと思います。
連載で仙台を離れられてから、
昔と比べて現在の仙台をどうご覧になりますか。

荒木さん

そうですね、昔の御屋敷のような建物が
無くなっちゃいましたね。
それと、いい喫茶店も無くなってしまって
ちょっと寂しいです。
街自体はきれいになって、住みやすくなったとは思いますが。

聞き手

戦後の面影を残したミステリアスな雰囲気は、
市街地整備が進んでなくなってしまったかもしれません。

荒木さん

でも、さっきタクシーの運転手さんが話されていましたが、
昨日雪が降る前に現れるというユキムシが
舞っていたそうですよ。
それも市内で出ていたそうですが、
そうした自然が身近に感じられることは
素晴らしいなと思います。

聞き手

子供の頃の「どざえもん」が流れて来ていた時代や
高度経済成長期の公害問題などを経て、
自然環境を大切にしなければという意識の高まりから、
自然との共生が回復しつつあるという感じでしょうか。

荒木さん

そう考えると仙台はこの街の規模がいいんですよね。

聞き手

コンパクトでちょうど良い街のサイズなのかもしれません。

荒木さん

そうですね。歩いて回るにしても、
電車やバスを使うにしても、ちょうど良い距離で
どこへ行くにしても移動しやすい。

聞き手

車は運転なさらないのですか。

荒木さん

なぜか・・・しなかったですね。

聞き手

やはり、歩いて追跡したりするのがお好きということで。

荒木さん

荒木さん

追跡は楽しいですね〜(笑)
でも本当に仙台は住みやすい都市規模だと思いますよ。
東京だと広すぎて。

聞き手

コミックスの折り返しのコメントで拝見したのですが、
先生が仙台で連載を始めた頃は、
コピーが一枚40円するなど、仙台に住みながら
連載するには大変だということで
東京に引越しされたそうですが。

荒木さん

当時はまだ東北新幹線が開通していなくて、
東京まで電車で4時間はかかったんです。
宅配システムもやっとクロネコヤマトの宅急便が
できたくらいの時期で
週刊誌で連載するのは大変だったんで、
もう行かざるをえない状況でした。

聞き手

今ではインターネットなど通信技術も普及し、
またこうした自然環境も身近にあり住みやすくなって、
逆に、今だったら仙台に住みながら連載してもいいな、
と思うこともありますか?

荒木さん

ありますね。仙台に住みながら連載できたらいいですよね。

聞き手

先ほどの伊坂幸太郎さんを始め、仙台にお住まいの
人気作家の方も多いようです。

荒木さん

小説家の方はほぼ問題ないと思いますよ。
マンガもデジタルで描いていればインターネットがあれば
送れますけど、僕はそうではないので…。
誰かが生原稿を確実に編集部に届けないといけないんです。

  「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第34巻

<「ジョジョ」第四部 ジャンプコミックス第34巻>

聞き手

「岸辺露伴」は杜王町で連載できても、先生が連載中に
仙台に住むことはやはり厳しいのでしょうか…

荒木さん

仕事関係や友人関係といった生活基盤が今は東京にあるので、
難しいでしょうね…。
アシスタントさんたちも、東京に住んでますから。

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