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川内優輝選手 3位で代表内定

2月27日 17時31分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京マラソンが27日行われ、ことしの世界選手権の代表選考を兼ねた男子のレースでは、23歳の川内優輝選手が2時間8分37秒で日本人トップの3位に入り、代表に内定しました。

レースは、速いペースで進み、25キロすぎから有力な選手が次々と脱落していく展開となりました。川内選手も、30キロすぎに一時、先頭集団から遅れかけましたが、粘り強い走りで、40キロ手前で尾田賢典選手を捉え、日本選手のトップに立ちました。川内選手は、自己ベストを4分近く更新する2時間8分37秒で3位に入り、選考レースで2時間9分30秒を切り、日本選手のトップでゴールするという世界選手権代表の内定条件を満たしました。ことし8月から韓国で行われる世界選手権の男子マラソン代表には、すでに、去年の広州アジア大会で銀メダルを獲得した北岡幸浩選手が内定していて、これで5人の枠のうち2人が決まりました。優勝は、エチオピアのハイル・メコネン選手でした。また、女子の優勝は、ロシアのタチアナ・アリャソワ選手でした。一方、車いすマラソンは、男子で副島正純選手が、2年ぶり4回目の優勝、女子は土田和歌子選手が4年連続で優勝しました。川内優輝選手は、レース後の記者会見で「2時間8分台のタイムが出るとは思っていなかったのでできすぎです。前半に早めのペースで行けたおかげでこのタイムが出ました」と話していました。そして、埼玉県の職員として高校で働きながら世界選手権の代表が内定したことについては、「世界と戦うにはこんなレベルではだめで、より一層、練習を積まなければ厳しいが、フルタイム働きながらこのタイムが出たので、今後もペースを崩さずに練習の強度を上げ、市民ランナーと一緒にレベルの高い練習を積んでいければ、まだまだ記録は狙えると思う」と語りました。川内選手は、埼玉県久喜市に住む23歳。小学校から陸上を始め、中学、高校でも陸上部に所属しましたが、全国大会への出場はありませんでした。大学では学習院大学の2年生と4年生のときに学連選抜のメンバーとして箱根駅伝に出場し、4年生のときには山下りの6区で区間3位となりました。おととし大学を卒業すると、埼玉県の職員となり、県立春日部高校の定時制の職員として事務を担当しています。気持ちを前面に出した粘りのある走りが特徴です。川内選手はプロや実業団ではなく、「市民ランナー」として走ることにこだわり、1人で練習メニューなども決めてトレーニングを続けてきました。そして、4回目のマラソンとなった去年の東京マラソンで、2時間12分36秒のタイムで4位に入賞し、一躍、注目を集めました。川内選手の夢はオリンピック出場で、その前段階として、ことし夏の世界選手権の出場を目指していました。