民主党の輿石東参院議員会長と樽床伸二元国対委員長、平野博文元官房長官、高嶋良充元参院幹事長が25日夜、大阪市内で会談し「現状での衆院解散は国民のためにならない」として早期の衆院解散は避けるべきだとの考えで一致した。菅政権について「八方ふさがりで四面楚歌(そか)の状況」との認識も共有した。出席者からは「菅直人首相のままで解散すれば、惨敗し党が分裂する」との意見も出た。
毎日新聞 2011年2月26日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2011/02/26/20110226ddm005010068000c.html
今日は、この記事を基に考えてみようかと思います。徐々に政界の動きも慌ただしくなってきましたよね。慌ただしくと言うよりも”打つ手が限られてきた”と書いた方が正確ですよね。
今日のお話に入る前に、”どんな情報も誰かが何かの目的の為に流す”という事を覚えていますよね。
勿論ですが、私のブログも目的が有って書いています。どんな目的かは、読んで下さる皆様がそれぞれで考えて下さいね。
ヒントは「何故こっちの情報は多く流して、あっちの情報は少ないのだろう?」という事を考えれば何となく分かるかと思います。
そして”情報という武器”の使い方としては以前にお話ししましたよね。
積極的に流す事で相手をコントロールする為であったり、沈黙して相手の感情を沈静化させる目的であると書きましたよね。
もう少し慣れてくると、ちょっとだけ高度な使い方をマスターしていきますよね。
例えば”情報を出すタイミングを計る”といった事もそうですよね。
先月、私が慌てて出した”自民党などの審議拒否の真相”をエントリーしたモノは「自民党が審議拒否をした~」と広まってしまってからでは遅いですよね。
負の情報が流れるのと同時か直ぐ後に同じ位の拡散スピードで「本当は民主党が嘘を吐いた」という情報を流さなければ世論がマスコミ主体で作られてしまっていましたよね。
逆に後から出す方法としては典型的なモノとしてインサイダー取引等が有りますよね。またTPPの内容の話も、これと同じですよね。
前もって正しい知識を得ていなければ騙されてしまいますからね。
その他には”情報を持っているのか持っていないのかを明言しない”という事も有りますよね。
この例での典型例としては衆院での稲田議員が前原氏を問いつめていた事を思い出して下さい。
「北朝鮮への申請ビザや名詞の事を調べて下さい」と述べていましたよね。
稲田議員は自分では”持っているとも、持っていないとも言明しませんでした”よね。
この方法を採られると、前原氏としては「嘘を吐いても証拠を見せられたらアウトだ」と考えますよね。
特に日本人が最も過敏に反応する拉致問題が関係している北朝鮮との事ですからね。”正直に話す事と稲田議員が証拠を持っていないという可能性に掛けてギャンブルをするか”を迷いますよね。
嘘がバレてしまう事だけは前原氏としても避けるでしょう。そうなれば、議員生命まで終わってしまいかねませんからね。
ならば、考えられる事としては前原氏としての答弁は「記憶にない、資料が無い」と言い張る事だけでしょう。
又は、「安全上の配慮」だとか「向こうから頼まれた」といった得意の”他人の責任”という事で押し通すかも知れませんね。
では、今日のお話に入りますね。記事の中で”早期の衆院解散は避けるべきだとの考えで一致”と書かれていますが、記事に出てくる”輿石東参院議員会長”や”樽床伸二元国対委員長”、”高嶋良充元参院幹事長”は小沢派ですよね。
また”平野博文元官房長官”は鳩山派ですよね。鳩山派は小沢擁護の発言が多いですから親小沢といったグループですよね。
つまり、小沢派も解散総選挙は避けたいという事が本音ですよね。そして、反小沢派の人間であっても親小沢派の人間であっても”菅政権について「八方ふさがりで四面楚歌(そか)の状況」”という認識は同じですよね。
ここで、質問です。あなたが民主党の議員だと仮定して、何とか今の状況を打開するなら何を考えますか?
簡単ですよね。今の民主党党首(現首相)のクビをすげ替えてイメージの刷新を図って何とか党勢を立て直そうとしますよね。
民主党:菅退陣も選択肢 予算案成立で…渡部最高顧問
民主党の渡部恒三最高顧問は26日、11年度予算関連法案成立に向けた野党側の協力を得るため、菅直人首相の退陣も選択肢だとの認識を表明した。「予算を通すことを、民主党より菅君よりも何よりも最優先に考えなければならない」と述べた。
小沢一郎元代表に批判的な一方、これまで党の重鎮として菅政権を支えてきた渡部氏が退陣論に言及したことで首相は一段と厳しい立場に追い込まれそうだ。東京都内で記者団に語った。
これに先立つTBSのテレビ番組収録では衆院解散について「今解散したら民主党は惨敗するに決まっている。解散するなんてばかなことがあるはずがない」と否定した。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110226k0000e010053000c.html
このように”渡部恒三最高顧問”迄もが”菅直人首相の退陣も選択肢だとの認識を表明”と有りますよね。
誰もが考える事ですよね。問題は、民主党としては誰を次の”顔”にするかという事ですよね。
では、次の質問です。あなた(民主党議員)なら、次の民主党代表に、どのようなタイプや能力を期待しますか?
1.知名度の高い人物
2.マスコミ受けが良い人物
3.民主党全体をまとめられる人物
こういった事ではないでしょうか。では、それぞれ具体的に見てみましょう。
知名度が高くてマスコミにも受けが良い人物としてはやはり筆頭は前原氏ですよね。次いで岡田氏といった所でしょうか…。
少しレベルを下げれば原口氏や枝野氏、野田氏といったメンツも入るかも知れませんね。
しかし、今の前原氏は北朝鮮との癒着が表面化して国民に支持されるとは考えられませんよね。
何も政策や実績が無いという事はマスコミ的にも民主党的にも何も問題は有りません。政策や実績の有る人間が今も民主党に所属しているとは考えられませんからね。
そうなると、岡田氏が最有力候補と考えられますよね。
ですが、最後の”3.民主党全体をまとめられる人物”という部分で岡田氏にも”?”が付いてしまいますよね。
民主党 混乱印象づける一幕も
民主党の代議士会は、会派離脱届を提出した16人が欠席する中で開かれ、菅総理大臣の伸子夫人を使った党の政策ビラの趣旨の説明にやじが飛び、岡田幹事長が強い口調で反論するなど、党の混乱ぶりを印象づける一幕がありました。
http://www.nhk.or.jp/news/html/20110224/t10014273251000.html
どうやら、岡田氏は総理大臣の椅子へのチャンスを逃してしまったと考えられます。
これが、単にマスコミや国民を騙す為の演技であったのなら凄い政治家だとも言えますが…。
さて、知名度が高くてマスコミ受けも良く、かつ小沢派にも反小沢派(執行部側)にも顔の利く人物と言えば…。
一人だけ居ますよね。そう、”渡部恒三最高顧問”です。
小沢派としても反小沢派(現執行部)としても解散を避ける為には誰かを担がなければなりません。
どちらの陣営(小沢派と反小沢派)からも「あのヒトじゃ~反対出来ないな~」と言われるのは渡部氏しか居ないのです。
そして、万が一にでも解散総選挙になった場合の事を考えたならマスコミの応援を最大限に引き出せる”顔”として渡部氏は最適だと考えられます。
次の衆院選までの繋ぎと考えれば、これ以上の適任は居ないでしょう。そして、時間を掛けてマスコミと一緒になって民主党の党勢を立て直してから衆院選へというシナリオだと考えられます。
では、その渡部氏ですが…実はかなり問題の有る方のようですよね。
民主党・渡部恒三氏、党最高顧問を辞任
【2007年10月4日】
中日新聞は4日、民主党の渡部恒三党最高顧問が自身の事務所費問題を受け辞任していたと報道した。
東京新聞によると渡部氏は自身の政治団体「新時代の会」は、渡部氏の甥佐藤雄平福島県知事の自宅マンションを実際には使っていないのに「主たる事務所」として1993年から2004年の12年間総務省に届け出ていたことが判明している。なお現在は千代田区にある渡部氏所有のマンションに変更済み。
政治資金報告書の記録では12年間の事務所費は計約九千九百万円、人件費、高熱水費などを含めた経常経費は約約一億七千八百二十四万円であった。渡部氏は国会議事堂内での記者会見で「後援会活動費用を計上しており、法的に問題はない」としながらも「事務所職員に任せきりであったことは恥ずかしいことである、自分に責任があることは明らかだ」とし、責任を取って党最高顧問と常任幹事の役職を辞任することを明らかにした。北海道新聞の報道によると民主党・鳩山由紀夫幹事長はこの問題を受け、「必要に応じて何らかの処分を行う必要がある」と党としての処分を検討する考えを明らかにした。
朝日新聞によると渡部氏は当選13回。96年から03年にかけて衆議院副議長を務めたほか、各種国務大臣の職や、自民党・民主党の党最高顧問などを歴任している。
このように事務所費問題で一度、最高顧問を辞任していますよね。それが、年が明けたなら最高顧問に復帰していますよね。
地球温暖化対策本部を設置、渡部恒三元衆議院副議長を最高顧問に 常任幹事会
常任幹事会で8日、「地球温暖化対策本部」の設置と、渡部恒三元衆議院副議長(前最高顧問)を最高顧問に復帰させることを決定した。
http://www.dpj.or.jp/news/?num=12479
民主党的には数ヶ月の間だけ顔を出さなければ責任を果たした事になるようです。
他にも2005年には”民主・渡部恒三氏派の運動員ら6人、買収容疑で逮捕”といった事も有りましたよね。
そして”新たに運動員逮捕=渡部恒三氏陣営の買収-福島県警”といった続報も有りましたね。
また”民主・渡部氏の政治団体、実態のない事務所に経費計上”では次のような記事も書かれていましたよね。
代表者の男性が00年、会計責任者の男性も3年ほど前に亡くなっているのに、今年7月まで後任者への変更を届けていなかった。
収支報告書には、死亡している会計責任者の名前が記名押印された宣誓書を添付していた。
http://www.asyura2.com/10/senkyo93/msg/910.html
これらの記事は全てリンクが切れてしまっていたので個人ブログを参照させて頂きました。他にも運動員が大麻の所持といった事も有りましたよね。
収支報告書によれば、自分の秘書に借金していたという事も有りましたよね。特定企業と親密な関係も有りましたよね。
それでも、マスコミは殆ど国会議員のスキャンダルとして話題にしませんでしたよね。自ら最高顧問を辞任した渡部氏を潔いといった美化した報道しか有りませんでしたよね。
口だけの赤い彗星(前原氏)が北朝鮮絡みで消えてしまいましたが、マスコミ的にはTPPにも前向きな今の民主党執行部から党首を選びたいという思惑が有りますよね。
今後のマスコミの報道が楽しみですね。
私のブログを読んで下さっている方も民主党の渡部氏に関しては少し注目しておいて下さい。時間の有る時にでも過去の事件を”検索”等で探してみるのも面白いかも知れませんね。
話が飛びますが、こちらも慌ただしい動きになってきていますよね。
選挙:東京都知事選 平沼氏、石原知事に出馬促す
たちあがれ日本の平沼赳夫代表は25日、東京都庁で石原慎太郎知事と会談し「余人をもって代え難い。日本のため、東京都のために出るべきだ」と4月の東京都知事選への立候補を促した。しかし石原氏は態度を明らかにしなかった。会談には同党の園田博之幹事長が同席した。石原氏は昨年の同党結党に参画している。【野原大輔】
http://mainichi.jp/select/seiji/archive/news/2011/02/26/20110226ddm003010132000c.html
これも一種の情報戦ですからね。土壇場まで決まらないでしょう。誰がどんな動きをしているかを調べてみると面白いですよね。
by ヒロ
一番の”嘘吐き”は誰だ?